標的1408＊案じる弟妹と眠る兄 ページ3
《ネーヴェside》
ピッ……ピッ…
機械的な音だけが耳に入る。
その音を聞き流しながら私は目の前で眠る人を見つめた。
いつもは結っている黒い髪が散らばって、あまり見ない色の瞳は閉ざされている。
ラ「ネーヴェ。ここに居たのか。」
ネ「兄様。」
医務室の扉から中を覗いて、兄様が入って来る。
その視線が眠る彼に向けられた、一瞬だけ痛みに顔を歪ませる。
いつもは冷静な兄様もきっと私と同じ気持ち。
彼に繋がれたコードが伸びる先に在るモニター。それを見て、次には容体把握のためのカルテを見る。
その動きも慣れたもの。
兄様も母様や皆から指導を受けた医術師だから。
ラ「………大丈夫か。」
ネ「ひと安心？」
ラ「あぁ。ったく…なんでコイツまであんな所にいたんだ…」
珍しく兄様が苛立ってる。
でも私も同じ。
ここ数年帰らなくて。便りも寄越さなくて。
忙しいのは分かっているけど、それがどれだけ私達を心配させたか…。
私と兄様は眠る彼を見る。
ラ「A様の方は？」
ネ「母様が診てくれたわ。怪我はないし目を覚ますのを待つだけよ。」
ラ「そうか……」
視線を合わせなくても兄様が安堵したのが分かる。
兄様はそのまま扉へ足を向けた。
ラ「お前も早く休め。お前が気を張ってると狸寝入り決め込まれるぞ。」
ネ「なっ…！」
ラ「寝たふりはアルベルトのいつもの事だからな。」
思い出すのは、そんなアルベルトをいつも必死になって起こす私と「騙してやった」と笑うアルベルト。
笑って出て行く兄様に、私は無性に腹が立つような恥ずかしいような気持ちになった。
兄様酷い……！
出て行った兄様をべーっと舌を出して睨んでから、私は眠る彼を見た。
彼の名を、アルベルトと言う。
私達の両親の養子で、私達の兄弟同然で。
私達の大切な家族。
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桜(プロフ) - aoilovexanxusさん» ぐっと関係が縮まったみたいです。これからどうなるんでしょうね？ｗ (2020年3月16日 18時) (
レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
aoilovexanxus(プロフ) - 桜さん» まさかの婚約！？続きが気になります (2020年3月14日 19時) (レス) id: 6a6a043b0a (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - takeshixanxusloさん» 継承からはドタバタでも穏やかな日々が始まります！ (2020年2月18日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
takeshixanxuslo(プロフ) - 桜さん» いよいよ主人公の十代目継承式が始まるんですね続きが気になります (2020年2月15日 22時) (レス) id: 6a6a043b0a (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - takeshixanxusloさん» はい。頑張ります！ (2020年2月15日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜
| 作成日時：2019年12月13日 18時
