【REBORN】包容する大空 ⅩｘＸⅡ【XANXUS】 (ページ12)

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標的1416＊ここにいるよページ12

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大切なものを失って、歩みは止まる。

受け止めるのが辛い時。そんな時にこそ見えるものがある。

前なんかじゃない。

隣に、見えるものがある。

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【VARIA】

談話室のソファーに座り込んでいたベルは、隣で通帳を見ているマーモンを見るとニヤリと笑みを浮かべひょいと抱き上げた。呪いが解けたとはいえまだまだ幼子に変わりはない。

突然のベルの行動にマーモンは驚くでもなくため息を吐いた。

マ「いきなりやめてくれないかい？」

べ「やだね。オレ王子だもん♪」

お決まりの文句にマーモンが「だろうね」とフードの下の目を通帳に戻した。

そんな素っ気ないマーモンの態度を気にした風もなく、ベルは勝手に喋り出す。

べ「ボス遅くね？かれこれ数日帰って来ねーし。」

マ「元々本部の仕事だからね。Aだって他のファミリーに行った事ないんだ。いい勉強だってちょっと滞在してるんじゃないかな。」

べ「あー……まぁAだし。こっちに顔出しに来るかな。」

マ「どうだろうね。ボスに伝えておいてもらったら？」

べ「…そうしよっと。」

ベルはポケットから携帯端末を取り出すと、片手にマーモンを抱いたまま操作し始めた。

【日本】

学校を終えた炎真は、寄り道をしながら滞在する『なみもり民宿』へと帰った。

一人で民宿を切り盛りするおばちゃんに「ただいま」と帰宅を告げ、部屋の扉を開ける。

ア「おかえりなさい、炎真。今日も大丈夫だった？」

炎「うん。」

ら「オレの方も大丈夫だったよ。」

頷き合い、炎真はほっと息を吐く。

A達にイタリアへ行く間の事を託されてから、炎真達は学校の帰りにはAの家族や友人達が変わらないかと軽く見回っている。

毎日のそれに大変さを感じながらも、炎真はやめようとは露ほども思わない。

水「沢田達、まだ帰って来ねーしな。」

Ｓ「獄寺君がいないと、つまらないナ。」

紅「結局、いつまで我々は奴らの代わりをさせられるのだ！」

加「オレっちは、可愛い子のボディーガードならずーっとやってあげるけどね♪」

それぞれの言葉に笑みを浮かべながらも、教室の空席を思い出し炎真の視線は下がる。

皆で楽しい話をして笑う時間が随分前のようだ。

炎「でも、Aちゃん達が信じて僕らに任せてくれたから、帰って来るまで守って、そして「おかえり」って言おう。」

炎真の言葉にそれぞれが口端を上げ強く頷いた。