標的1388＊同じ立場 ページ30
【アクアファミリー アジト】
《リボーンside》
アクアファミリーのアジト。
その一室で、オレは淹れてもらったコーヒーを飲む。
うむ。美味いぞ。
ソファーに座っているオレと同じようにソファーに座り、何やら考え込んでるラーゴ。
コイツの不安はよく分かる。
ボスが相手の元へ行き、抗争の気配に誰もが怯えている。
街のことも気がかりだろう。
そんな中でも自分がなすべきことを考え、いざという時のためここに待機している。
リ「ゴッチャの方は心配ない。AもXANXUSもいるからな。それにネーヴェだって自分で志願したんだ。信じてやれ。」
ラ「信じています。アイツが頑ななのはいつもの事ですし……。」
リ「だからこそ、心配か？」
ラ「…………はい。」
オレもこのファミリーの事に詳しいわけじゃない。
だが、聞き知ってはいるし、その特徴から、いつかはAに関わらせてやるのもいいかとは思っていた。
ま、ボスのゴッチャとは九代目と通じて会ったこともあった。
ラーゴは立派なボスになれるだろう。
今も必死に勉強してるだろうしな。
ラ「リボーンさん。A様は、ボンゴレを統べる立派なボスになれますか………？」
次期後継同士は互いのボスとなれば、その交流も増えるだろう。
いい関係を築くことが両ファミリーのためにもなる。
ラーゴの言葉にオレはいつものように笑みを見せる。
リ「アイツは、仲間や友を守るために強くなると決めた女だ。そのためなら自分を曲げることもしねーし、自分が前に立つことにも躊躇わない。」
ラ「…………！」
リ「文句ねぇ立派なボスになれると、オレは思ってる。」
オレの言葉に、ラーゴは安堵したように頷いた。
Aも何かあれば同じ立場同士、ラーゴに相談できればいいな。
「ラーゴ様！」
その時、大きな声を上げて部下の一人が入って来た。
そいつは息を切らしたまま、報告をする。
「街で………奴らが暴れ出したとっ……！」
ラ「何だと！？」
どうやら、相手はこれまでとは違う動きに出てきたようだな。
ラ「俺が出る！ お前達は………」
リ「そう慌てんな。」
ラ「しかしっ………！」
オレはコーヒーカップを片手に、ラーゴを見上げた。
ラーゴは焦燥に滲む表情を見せている。
リ「街には獄寺たちが居る。次期ボンゴレ十代目ファミリーを甘く見るな。」
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作者名：桜
| 作成日時：2019年9月16日 18時
