標的1387＊映すのは正面だけでなく ページ29
【アクアファミリー 街】
《獄寺side》
オレ達は十代目に仰せつかった役目を果たすため、街に出てきていた。
ボンゴレの参入が知られていたとしても、敵組織がマフィアじゃなければ次期ファミリーであるオレらの顔が知られている可能性は低い。
つっても賭けみてーなもんだけどな。
そんな訳で、オレ達がラーゴに変わり街の様子を見に来た。
見た目は、どこにでもあるようなイタリアの小さな街だ。
が、どこか陰がある。
「ハハ！ お兄ちゃん。すごい！」
山「ハハハ！」
その声に見れば、山本の奴がガキを抱き上げていた。
言葉が通じなくとも、アイツはあぁして打ち解けられるからな……。
呆れもするが、まぁ………アイツだからできることなんだろう。
ラ「イタリアの街〜だもんね〜♪」
了「うむ！ やはり日本とは違って新鮮なものだ！」
こっちもこっちで浮かれてやがる……。
思わず頭を抱える。
てめぇら、十代目から仰せつかった役目を忘れてんじゃねぇだろうな……？
ヒバリの奴も、いつの間にかいなくなってやがるしよ……。
山「獄寺。………獄寺！」
獄「んだよ！」
山「見ろよ、この鏡。すげー綺麗だぜ。」
獄「てめぇは鏡なんかっ………！」
「そんなもん見てる暇ねぇだろう！」……そう言おうとしたオレを見て、山本はこっちへ来いと手を招く。
なんだ……？
手にしてるのはどこにでもある普通の鏡。
山「先輩も見てくださいよ。」
了「そんなに綺麗なもなのか？」
ラ「ランボさんも見るー！」
仕方なく、オレは山本の元へ向かった。
笹川がアホ牛を連れて来る。
普通の鏡だ。何の変哲もない。あえて言えば、裏面の装飾だろうか？
山「こうして見るとは、よく見えるんだって。」
獄「！」
そうしてほんの少し鏡を動かす。
その鏡面には、路地に身を隠す黒服の男が見えた。
山「街を荒らしてる奴らって、あぁいう奴らか？」
獄「だろうな。見るからにアクアファミリーじゃねーしな。」
小声の会話。
相手に知られるのはマズイ。
山本にはすぐに鏡を戻させ、オレらも違和感を与えないよう街を歩く。
獄「別れるぞ。くれぐれも気づかれんじゃねーぞ。」
了「うむ。そっちも気を付けろ。」
オレと山本、芝生頭とアホ牛。
オレたちは二手に分かれることにした。
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作者名：桜
| 作成日時：2019年9月16日 18時
