標的120‐2＊無感情 ページ23
《獄寺side》
オレには一生をかけてついて行くと決めたお方が居る。
イタリア最大マフィア、ボンゴレファミリーの次期後継者。だがそうでなくてもオレはついて行くと決めただろう。
そう思わせる何かがあの方にはある。
それが何なのかははっきりとオレには分からない。
獄「おはようございます！ 十代目。」
ゆらりとその視線がオレに向けられた。
オレを見ているはずの目が、何も見ていないのではないかと思わせるほど………すり抜けているように思う。
貴「おはよう……」
オレを見ていた目は、また窓の外へ向く。
窓際の席に座る十代目は、いつも窓の外を見ている。
何かを、見ている。
何もない平凡な風景の中に、十代目は何を見てる……？
オレは十代目の隣で十代目と同じように窓の外を見る。
獄「何か見えますか？」
十代目は視線を外に向けたまま、スッと唇から音を溢す。
貴「…………何も。ただ空だけ…」
今日も青く晴れ渡っている空。
十代目の属性を示すような、大空。
ふわりと吹き込んできた風が十代目の髪を靡かせる。
それにも表情を動かさない十代目をちらりと見る。
十代目の今以外の表情を見たことがない。
見せないようにしているのかと初めの頃は思っていた。
だが、それは違ったらしい。
喜怒哀楽。そんな感情をぽっかり忘れて穴が開いたようだと感じる。
山「はよっ。A。獄寺。」
獄「よぉ。」
貴「おはよう……」
ちらりと山本を見た十代目。
山本は十代目が表情を変えなくてもいつも通りへらりと笑っていることが多い。
『だって、オレらが笑ってりゃ、Aだって楽しいって思ってくれるだろうしさ！』
山本らしい言葉だと思った。
まぁ、オレも思ってたことだしな。
標的120‐3＊無感情→←標的120‐1＊もしも、前世の影響で夢主が感情を持っていなかったら……？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 516人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜(プロフ) - 謙也LOVEさん» ベルは大事と思ったものは護りぬく素敵な王子様だと思います。夢主にとってもベルにとってもこれからも良く友人として笑い合える二人だと思います。 (2020年1月1日 18時) (
レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
謙也LOVE - ベルが主人公守る話良かったです友達である主人公とXANXUSの幸せを願って主人公を守るベルかっこいいですやっぱり王子だなと思いました (2020年1月1日 17時) (レス) id: 53026d57c3 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 謙也LOVEさん» 作者もそんな感じがしますｗ (2019年12月28日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
謙也LOVE - なんかリボーンが二人いるとろくなことがない気がするリボーンってどこの世界でもこんな気がする (2019年12月28日 17時) (レス) id: 53026d57c3 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 真菜さん» ありがとうございます！ これからも楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2019年1月1日 17時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜
| 作成日時：2018年10月26日 18時
