標的116‐3＊続・美女と野獣 ページ49
そして翌日。
私とXANXUSさんは2人で屋敷を出た。
森の中にある屋敷だけど、ちゃんと森を抜けるまでは道もある。
馬車に乗ることもできるけど、それほど遠くない時は私は自分の足で歩きたい。
私の言葉にXANXUSさんはやれやれと息を吐いた。
貴「だって、少しでも長く一緒に並んで歩きたい。」
Ｘ「……………そうか。」
目を瞬き、XANXUSさんはぎゅっと私の手を握った。
それが嬉しくて、私も握り返す。
しばらく歩けば街に着いた。
沢山の人で賑わって、人々の物を売る声買う声が耳に届く。
Ｘ「何を買う？」
貴「食材を。後は見て回りたいです。」
一緒に食材を扱う店まで足を運ぶ。
XANXUSさんが「離れるな」と言うように握ってくれる手が暖かくて、心強い。
皆の好きな物、ルッス姐に頼まれた物。色んな店を回って全て揃える。
よし。これで全部だ。
確かめ終えた時、ある店の品物が目についた。
早足で向かったその店。
「らっしゃい。お嬢さん。」
並べられているのは、色とりどりの綺麗な装飾具。
どれも綺麗だ。
でも、私の目に映ったのはそれじゃなく………。
貴「この石、綺麗………。」
装飾具に比べれば劣るかもしれない。
小さく、まるで身を丸くして目立たぬようにしているかのような、小さな紅い石。
貴「おじさん。この石は？」
「そりゃ、近くの鉱山で採れる石さ。とは言っても価値はないんだけどな。」
勿体ない。こんなにも綺麗なのに……。
目当ての鉄鉱石じゃないからなんだろうけど……。
「欲しけりゃあげるよ。」
貴「いいんですか？」
「あぁ。」
価値はないと言っていたけれど、一応お金を払い、その石を購入した。
帰り道。
買った石を日の光に当ててみる。
不透明だからあまり光は通さない。磨けば綺麗になるかな……？
Ｘ「そんなモンで良かったのか？」
貴「え？ だって綺麗だよ。この石。」
Ｘ「相変わらず、装飾品は興味ナシか………。」
確かに、並んでいた装飾具はあまり見なかった。
呆れた風なXANXUSさんを見て、自分でも苦笑が漏れた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 506人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜(プロフ) - 篝月さん» ありがとうございます！ 家族と助けた話の続編ですね。了解です。気に入ってもらえるよう頑張ります！ (2018年10月19日 18時) (
レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
篝月 - 逆立場良かったです！もし家族だったらの続編とXANXUSが主人公を助け出したらの続編がみたいです！ (2018年10月17日 22時) (レス) id: 7982b0814b (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - アイさん» ありがとうございます！ ちょっと不安な面もあったんですが、喜んでいただけて嬉しいです。スクの幼児化ですね。了解しました。これまた可愛いものになりそうですねｗ これからもよろしくお願いします！ (2018年10月14日 19時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
アイ - ベルの幼児化可愛かったです！今度はスクアーロの幼児化が見てみたいです！ (2018年10月14日 17時) (レス) id: d0f71e3ce3 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - ゆうなさん» ありがとうございます！ そうですね。スクアーロは以前日常で書いたので、他の4人で考えてみます！ (2018年9月20日 17時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜
| 作成日時：2018年7月13日 18時
