標的５５‐６＊姫様と妖 ページ38
夜。
XANXUSさんは稀に私の所へやって来る。
先触れもないし、いつ来るって言ってくれるわけでもないから、「今日は来てくれるかな」って楽しみにして待ってる。
タッ……！
軽々と窓から入って来たXANXUSさん。
貴「こんばんは、XANXUSさん。」
Ｘ「あぁ。」
私が妖が見えること、普通に話してることは城の皆も知ってる。
だから、XANXUSさんをこうして部屋に招くことにも問題はない。
貴「XANXUSさん。」
Ｘ「何だ。」
円座に座ったXANXUSさんに声を掛ける。
傍に置いておいたものを手に取る。
ほんの少し、不安もある。
喜んでくれるかな……？
Ｘ「！」
それを広げて、そっとXANXUSさんの肩にかけた。
驚いた顔をして、かけられた衣にそっと触れる。
Ｘ「何だ……？」
貴「簪のお礼です。繕ってみたんですけど………」
ベルと話して、衣を繕ってみようってことになった。
裾に向かうにつれ深紅に変わる、黒い羽織。
迷惑、だったかな……？
そう思ってそっとXANXUSさんを見れば、そっと衣触れてる。
Ｘ「繕ったのか？」
貴「はい。時間がかかっちゃいましたけど……」
裁縫はよくする。
お母さんに習って、衣を繕うこともある。
お母さんに比べたらまだまだで、縫い目が不揃いなことがあるけど……。
Ｘ「…………まぁ、悪くはないな。」
貴「良かったぁ……」
安心して大きく息を吐く。
そんな私を見てフッと笑うXANXUSさん。
Ｘ「簪、つけてるな。」
貴「はいっ！」
今も。そう思って見せれば、フッと口角を上げる。
喜んでもらえたみたい。
それに私まで嬉しくなる。
いつもよりたくさんの話をして、いつもより沢山笑う。
それから頻繁に来るようになったXANXUSさん。
私が繕った衣を肩にかけて来てくれるのを見るたび、嬉しい気持ちでいっぱいになる。
夜だけじゃなく、昼間も一緒に出歩くようになるのに時間はかからなかった。
XANXUSさんから衝撃の言葉を聞くようになるのも――――
【姫様と妖の物語；END】
標的５６‐１＊もしも、夢主とXANXUSが入れ替わったら……？→←標的５５‐５＊姫様と妖
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桜(プロフ) - 猫髪さん» それは大変ですね……。隣に立っても恥ずかしくないくらいってことにしておきましょうｗ これからも頑張ります！ (2017年10月8日 19時) (
レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
猫髪 - 夢主ちゃん…1つ言っておくよ…XANXUSと同じ所に立つと言うのなら スクちゃんに『此奴には勝てない…』と思われるまで無理だと思うけど夢主ちゃんならいけると思うよ！ス「どっちだよ」やぁスクちゃん これからも頑張ってください！ (2017年10月8日 19時) (レス) id: ca78c9dada (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - わんセグさん» これまた意外な人ですね……。ボスが怒りそうですｗ 検討してみます。リクエストありがとうございます！ (2017年10月6日 19時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
わんセグ - 白蘭と夢主の入れ替わりはどうですか？ (2017年10月6日 18時) (レス) id: 597c6ec342 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - ファイアリーさん» 夢主を交え、3人の話を考えてみますね。上手く書けるかな……？ リクエストありがとうございます。頑張ってみます！ (2017年10月6日 17時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜
| 作成日時：2017年8月22日 17時
