【文スト】コンビニ店員がゆく、ヨコハマ怪奇譚

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｢人喰い虎……ですか。｣





渡された新聞記事の切れ端や、その他の情報がメモされた資料に、Aはうーん、と顎に手を添える。




基本的、そこらにいる専門学生で通っているA。
致し方なく、探偵社に所属しているものの、あまり厄介事には頭を突っ込みたくないのが本心で。






｢…この件は厄介になりそうか。｣




｢うーん、私は先が見える訳では無いので何とも…｣




｢太宰が其方を候補していた故、何かあるのかと思ったが、｣






太宰。その名前にピクリ、と眉が動く。






｢…その本人は何方に？｣




｢調査に国木田と出ている。｣




｢成程…。分かりました、行きます。｣






重要そうな箇所を写真に収めて、荷物を纏める。
食べた食器はシンクに下げて、｢行ってきます！｣と福沢に挨拶をして社長室を出る。






｢A｣






探偵社のドアノブに手を掛けた処で、名探偵からお声が掛かる。
首を傾げて振り返ると｢気をつけてね｣と。







｢今夜は厄介な夜になる。
夕方バイトがあるなら夜勤の人と代わって貰いなよ。｣







名探偵の推理が、外れたことは無い。

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