【文スト】コンビニ店員がゆく、ヨコハマ怪奇譚

37: 在りし日の ページ38

突然だが、私は感情の起伏が凄く激しい。




一度怒れば、心に火がついたかのようになり、周りの声が聞こえなくなる。
逆に喜び過ぎてもテンションが高まりすぎて対応に困ると、以前福沢に云われた。






｢……で、そいつを怖がらせ気絶させた挙句、常連客には苦笑いされ、陳列棚を壊した事で店長には大目玉を貰った、と。｣





はぁ、と態と聞こえるように大きくため息を吐く。
言い返す言葉もなく、Aはテーブルに突っ伏した。
Aに呼び出された弟の碧はその様子に手を顎に添えた。





｢…どうしよう碧、中原さんのあんな顔初めて見た｣



｢中原って…常連客？仲良い訳？｣



｢…普通？｣



｢もうバイト辞めて探偵社員として働きなよ｣





うえ、と舌を出す。
何がそんなに嫌なの？と碧が云った。





｢私には向かないんだよ…組織に入るのは。｣



｢あぁ、規則守る性格じゃないもんね｣



｢姉に対して失礼じゃないかな？｣






あぁ、もう本当に。どうしよう。

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