【文スト】コンビニ店員がゆく、ヨコハマ怪奇譚

32: 異能者ノ正体 ページ33

それは、探偵社がポートマフィアの武闘派組による襲撃を受けた夜の事。
某この物語の主である大山Aは、今日も今日とてコンビニの夜勤アルバイトをしていた訳だが。





｢…ねぇ、大山さんってさ｣





最初は何の変哲もない、ちょっとした会話を交わしていただけの筈なのに





｢武装探偵社の社員…なんだね｣





突然、目の色を変えたバイト仲間の石井くんが、問いかけではなく確証のある云い方で呟いた。



そして、当の本人であるAは｢…違うと思うよ、多分｣と何処か他人事のように言葉を返す。






｢僕、見たんだよね。武装探偵社に、大山さんが入っていくの。｣



｢あー知り合いが居るんだよ、社員じゃない。多分。｣



｢でも、あの探偵社を出入りしてる事は認めるんだ？｣



｢何が云いたいの？｣






意味が解らん、ゴミ回収でもしてくる。


回りくどい云い方ばかりで、何を云いたいのか明確にしない彼に苛立ち、お客が居ないのをいい事に少し大きな声で｢頭の整理がついてから話してよね｣と告げた。





…それが、いけなかった。

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