【文スト】コンビニ店員がゆく、ヨコハマ怪奇譚

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｢じゃあ最後かな｣





空になったカップを手に、カウンター席に座り直した太宰。
ニヤリと上げられた口角に、ふと嫌な予感がした。






｢武装探偵社七不思議の一つ、Aちゃんの前職は何だと思う？｣




｢え？｣





こればかりには社員達も驚きの声を上げた。
何故なら、Aに関しての情報を知る人物は探偵社にも数名しかいないからである。
云わないのは勿論、バレたら困るから。







｢学生さん…じゃないんですか？｣




｢だって。Aちゃんの答えは？｣




｢…間違ってはない｣






間違っていない、けれど其れだけじゃない。





｢けど、一応今も専門学生だから。それプラス副業でって感じです｣




｢…モデルですの？｣




｢なんでそうなるの、ナオミ｣




｢女子高生でバイト以外の仕事をしている人は皆さんモデルだと聞きましたの！｣




｢それ、ナオミも含まれてない？｣




｢あら、私はバイトですわよ？｣






あぁ、そうか。ナオミは異能者じゃないから社員じゃないんだ。
まぁ別にそこは関係ないんだろうけど。





｢さて、敦くん解るかい？｣




｢ええ…太宰さんは知ってるンですか？｣




｢まぁね、良く助けて貰ったよ｣






何となく、太宰さんと目を合わせるのが嫌で、そっぽをむいてコーヒーカップを傾け、熱いソレを喉に流し込んだ。

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