運命的な？

リクエスト、Bs18と悪夢の話 ページ22

「…ｯ！！！…はぁ……」

最近、悪夢をよく見る。
悪夢って言うのかどうかわからないけど。
真っ暗な中にひとりで座ってて、しばらくすると声が聞こえてくる。
前を見ると凪とかチームメイトが立っていて、まるで軽蔑するような目で俺にむかって「へたくそ」だの「いても意味ない」だの言ってくる。
耳を塞いでも目をつぶってもそれは止まることを知らずにずっといい続ける。

わかってる。そんなこと、誰も言わない。
そんな悪い人いない。
でもやっぱり、目をつぶると聞こえてくる気がして、目をつぶるのが怖い。

汗はじっとりと背中と額を濡らしていて、夜風に当たってもその不快感は取れない。

「…なぎ…」

凪。凪に会いに行こう。

なぜそう思ったのかわからない。
でも気がついたら上着を着て、ドアの鍵を閉めて車に乗り込んでいた。



１０分ほど車を走らせて着いた凪の家。
チャイムを押して数分。出てきたのは

『…え本物？』

木製バットを握りしめた凪だった。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


風呂を早めに終わらせ、軽くストレッチをし、時刻は11時。
太るかもしれないけど、ちょっとホットミルクとか飲んじゃおーかなーなんて思ってキッチンへ足を進めていた時。

ピンポーン

『…え。』

チャイムがなった。
起きているとはいえ、今は11時。(2回目)11時。(3回目)

宅急便かな？と思ったけど、そもそも頼んでない。頼んでいてもこんな時間に届くことはない。
ウーバーイー○？頼んでない。

恐る恐るインターホンを覗き込むと

『…よしのぶ？』

そこに映っていたのはチームメイトの由伸。
こんな時間に連絡もなしに来るか？いやでも由伸なら有り得るよな…
この時点で誰か、由伸らしき人間を2.3分待たせている。

迷っていても仕方がない。

近くに置いてあった、山田哲人さんに貰った木製バットを掴んで玄関に足を進めた。

『…え本物？』


そこに居たのは正真正銘の山本由伸。
でも雰囲気が全然違う。
なんだか暗いと言うか、なんと言うか。
由伸？と聞いても返事はない。
こいつ由伸の顔した別人か！？と思うとそいつは俺の腰にぎゅっと手を周して抱きついてきた。

由伸「…」

『由伸？』

今だ返事はないけど、由伸と確信を持てた。

家に入れると由伸から「よかった…」と言った声が聞こえた。

、→←オンライン練習見学会

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す