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「うめーけど初めて食べる感じのだからなんも言えねえわ、まじでうめーけど」
「慎太郎らしい感想で何よりだよ」
「なんかバカにしてね？」
もぐもぐと目の前に置かれたおしゃれすぎるケーキを食べながら難しい顔をしてそう呟く慎太郎にそう言えば「失礼なやつ」と眉を下げた慎太郎が「てかこれ食べたかったんでしょ？」あげるよ、と1番美味しいであろう苺が載っているところを差し出すのに「…慎太郎ってさ、マジで器広い、最高」と褒めてみる。
「なんも出ないよ」
「知ってるよ」
なんも出なくても嬉しいよ、と言いかけて、なんだかそれら告白みたいでやめた。おいしい？と普通の男女ペアなら間接キスだので盛り上がるかもしれないがこういう行為には何ももう思わなくなってしまったので「めっちゃおいしい」ありがと、と笑ってみせる。
よかったじゃん、と笑った慎太郎がストローを啜りながらおもむろに窓の外を見る横顔がなんだか綺麗で思わず見つめてしまった。だってなんか絵になるし、好きな人だし、それはさ、見ちゃうじゃん。
「…それ食わないの」
ぼうっとしばらく慎太郎を見つめていれば流石に気づかれたのか、はっと意識が戻ってきた頃には慎太郎が私の顔を見つめて「どうした？」大丈夫？と心配そうな顔をするのに慌てて「な、なんでもない」と残っていたケーキを押し込んで紅茶で流し込む。最後までケーキは美味しいけど目が急に合うとこういうなんだろ、デートみたいなとこでは落ち着かなくなるというか。
なんとか最後まで食べ終えて「ごちそうさまでした」待たせてごめん、と慌ててコートを着れば「ゆっくりでいいのに」せっかちやめろよ、と笑った慎太郎が伝票を当然のように持ってレジに歩き出そうとする。え、まってよ、普通に出かけたんだから半分こでしょ、そう言おうとして「慎太郎、わたしも」とだけ言ったとこで「A」と名前を呼ばれて思わず黙り込む。
「…きっと、もう今日だけだからさ」
「え？なんて、」
「なんでもない」
慎太郎くんに感謝しろよ、と何を言ったかよく聞こえなかった慎太郎の言葉に「？うん」と頷いて「ありがとう」と呟く。あとで慎太郎がなんか欲しそうだったら私が買おう。
「あ〜うまかった」
「深夜にラーメン食ったあとのセリフでなんか嫌なんだけど」
「うるせえなあ」
いいだろ別に、てかなんか見る？ときょろきょろ店を出た瞬間に落ち着かない慎太郎になんだか安心しながら「あそこの雑貨屋ちょっとだけ」5分でいいや、と言えば「いいよ、たくさん見れば？」とまた普段の慎太郎からは想像できないことを言われた。
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七瀬(プロフ) - lemonさん» わ〜！ありがとうございます！少しでも楽しんでいただけていましたら幸いです！たくさん更新できたらいいな〜と思ってますので最後までお付き合い頂けましたらうれしいです！ (2023年2月25日 19時) (
レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
lemon(プロフ) - ほんとにこの作品がだいすきで、 このきゅんきゅんがたまりません！！これからの更新も楽しみにしております！^^ (2023年2月22日 22時) (レス) @page16 id: b772619bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬
| 作成日時：2023年2月7日 22時
