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「…待ってたって言ったら、どうすんの？」
「え？」
すっ、と私のその一言で笑って上がっていた慎太郎の口角が下がって目に私ばかりを映して唇がきゅっと結ばれる。こういう時の慎太郎は何を考えているかわからない。こわい、引かれた？いや、思い返したら結構きもいことを言っている。ただの幼馴染がいきなり玄関で待ち伏せ？…やばい、逆の立場だったら、そう思ってぐるぐる頭の中で考えを巡らせてれば「どうもしないよ」と慎太郎が眉を下げて笑った。
「普通に嬉しいよ」
それだけ、Aと話すの楽しいし？と今度は明るく笑うのにどうしようもなく嬉しくなってふわふわする。だめだ、にやけそう。嬉しいんだ、そうなんだ…と浮かれかけた気持ちをばちんと顔を叩いて取り戻す。危ない、ただの恋する乙女で終わるところだった。ダメなのに、何してんの、諦めるんじゃないの。
自分で自分の顔にビンタをした私を慎太郎が見て「…な、何してんの？痛いやつじゃんそれ」とあわあわしてたが気にしないで、と制す。これは自分の自戒だから気にしないで本当に。
そう並んだ2人でしばらく他愛のない会話をしながら歩いていれば「…ねえ」と慎太郎が私の顔を見て「それ、最近なに？」と頭を指さして足を止める。
「…頭、ですけど」
「バカ、そんなことはわかってんの」
「なんでバカとか言われなきゃならないの、慎太郎が聞いたんでしょ」
バカはどっちだ、と慎太郎を睨めば「頭じゃなくて髪、前も思ったけどなんか最近すげーよな」といつか言われたみたいなことを言われた。すげーって何？かわいいの？やばいの？似合ってないの？どれなの？前はぐしゃぐしゃにされたけど。
「結構すごいでしょ、手込んでるんだよこれ」
「…ふーん」
確かにすげえわ、と何故か笑って私の頭に手を伸ばしかけた慎太郎が「あ」と声を漏らしてぴたりと動きを止める。何しようとしたんだろう、ほんとに私の頭にゴミでもついてたのかな。そう思いながら慎太郎の顔を見れば私の顔を見たまま動かないから恥ずかしくなる。なんとかいいなよ、普段うるさい奴が静かだと気が狂う。
「…なに、似合ってるねって？ありがと」
と、茶化したように言えるのは幼馴染の特権かもしれない。本音だったらいいのに、という気持ちは押し殺して慎太郎の顔を見て笑えば「似合ってるっていうか…」と思わず口からこぼれたみたいなそんな言葉に「え？」と聞き返してしまった。似合ってるっていうか？
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七瀬(プロフ) - lemonさん» わ〜！ありがとうございます！少しでも楽しんでいただけていましたら幸いです！たくさん更新できたらいいな〜と思ってますので最後までお付き合い頂けましたらうれしいです！ (2023年2月25日 19時) (
レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
lemon(プロフ) - ほんとにこの作品がだいすきで、 このきゅんきゅんがたまりません！！これからの更新も楽しみにしております！^^ (2023年2月22日 22時) (レス) @page16 id: b772619bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬
| 作成日時：2023年2月7日 22時
