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「いっやひどいよ…明日土曜日だからちゃんと病院行ってね？」
「はあい…」
とりあえず湿布貼ってネットしておくから、とてきぱき私の足首に手当を施す先生をぼんやり見つめながらはあともう一度ため息をつく。
「誰か迎えに来れる？」
「あー…いや、きついかも、です」
でも1人で帰れます、大丈夫です、と笑えば「本当に？とりあえずこれ電話番号渡すからなんかあったらここにして」私が車で行くから、とメモ用紙を渡してくれる先生はきっといい人だ。ぺこ、と頭を下げてリュックを背負って玄関に向かう。
いい日なのか悪い日なのかわからなくなっちゃったな。とりあえず明日の病院の予約をして、それで 治ればいいんだけどな…と考えながら靴箱をあけて、それで、
「足」
「え？」
「怪我、してんじゃないの」
なんて、そんな聞こえた声にどうすればいい？すっかり人気のなくなった玄関に響く声に反射的に振り向けば慎太郎が「湿布貼ってんじゃん」と私の足首を見て心配そうに眉を下げるのに「あー…まあ、でも、大丈夫だから」と笑って横を通り過ぎようとする。
誰か待ってんのかな、というか誰か待っていてよ。てか謝らなきゃ、心でも頭でもとっくにわかっているのになかなか言い出せずに唇をかみしめて足を踏み出せば痛みが走るのにまた顔を顰めてしまった。最悪だ。
「乗って、自転車の後ろ」
「え？誰か待ってるんじゃ、」
「今来た」
リレーの時見てたよ、あれ絶対痛いやつだから、と私の手を自分の肩に乗せて「…今だけ、ごめん」と笑う慎太郎になんだか泣きそうになる。ぐっと唇をかみしめて涙を堪えて「…ありがと」と呟けば「うん」と頷かれるのにじわりと目と鼻の奥が痛んだ。
どこまでも慎太郎はやさしい。待っててくれたのかな、ていうかいつから見てたのかな、私の足が痛いのに気づいたのは誰もいなかったよ。荷台に跨って慎太郎もサドルに跨るのを見つめていれば「ねえ落ちてーの？掴まれよ」と笑った慎太郎に「…ど、どこに」と思わず慌ててしまう。二人乗りなんてしたことないから分からないんだけども！
「背中にして、多分1番落ちないから」
「失礼な、サドルでも落ちな、」
「A」
心配してるよ、俺、と想像以上に真剣な目に私の口角は完全に落ちる。わからない、何を考えてるの？慎太郎は、何を思ってるのかな。こんなこと、大嫌いって言った幼馴染にするの？おかしくない？
真剣な目に何も言えなくなった私は「…ごめん」と慎太郎の背中に恐る恐る触れれば「謝らなくていいしもっとガッツリ掴んで！」と笑いながら言われた。
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七瀬(プロフ) - lemonさん» わ〜！ありがとうございます！少しでも楽しんでいただけていましたら幸いです！たくさん更新できたらいいな〜と思ってますので最後までお付き合い頂けましたらうれしいです！ (2023年2月25日 19時) (
レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
lemon(プロフ) - ほんとにこの作品がだいすきで、 このきゅんきゅんがたまりません！！これからの更新も楽しみにしております！^^ (2023年2月22日 22時) (レス) @page16 id: b772619bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬
| 作成日時：2023年2月7日 22時
