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「…テスト終わったけど暇だ」
「北斗くんとは?連絡ぐらいは取ってるんじゃないの…あ、テストも丁度終わったんだから結果報告兼ねて遊ぶとか!」
「え?いや…距離置いた方がいいのかなってあんまりしてないし…あれ、北斗くんって元気なのかな?」
「あんた…無視だけはするなってあれだけ!」
ばか!と言って私の頭を持っていた教科書で軽く叩き「自然消滅しちゃったらどうすんの!」と友人が焦ったように怒るのに「た、確かに…ただ急に連絡あんまり返さない奴になっちゃったのか」とやっとそこで気づいて頭を抱える。あまりに乏しい恋愛経験のせいでただ無視をする奴になってしまったがそもそも距離を置くって何?わかんないよ!でもグイグイ好きって気持ち自覚しても行けるほど私の神経は図太くないの!
「どうしよう…嫌われてたらどうしよう…」
「それは流石にないと思うけど…」
多分向こうもあんたのこと好きだろうし…なんなら向こうのほうがAのこと先に好きになってたとも考えられるし…と意味のわからないことを呟いているのにため息をこぼす。何言ってんの、北斗くんが私のこと好きなわけないでしょうよ。
あの後「とにかく電話でもしたら?拗れる前に!」と言葉を言い残して私の肩を「そんな顔しなくてもまだ大丈夫だから!ね!」と叩いて教室から出ていく友達を見つめて机に項垂れた。放課後の現在、テストも終わったこともありすっかり人気なんてない。はあとため息をついてぐりぐりと頭を机に押し付けていれば「ねえ」と横からなぜか声が聞こえて肩が跳ね上がる。
「人!?…え!?」
ばっ!と顔を上げて思わず立ち上がり声の方を向けばどこか表情が読めない北斗くんが立っていて驚いた声を出してしまう。学校残ってたの?
「…人だけど、それでテストはどうだったの」
「あ!そういうことか…できたよ、北斗くんに教えてもらってよかった」
そうだよね、勉強教えてた人のテストの結果気になるよね、と話しかけてくれたのかと思ったが少し残念になりながら言葉と共にありがとうと告げれば「そう」と安心したように笑う北斗くんに私も笑い返した。
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七瀬(プロフ) - 朱音さん» ありがとうございます!ヒロインごと好きになって頂けて嬉しい限りです!かなり話数もあるのに最後までお付き合い頂いて本当に嬉しいです…!他のお話も時間がある際にでも宜しければご覧ください。コメントありがとうございました! (2023年2月7日 20時) (レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
朱音(プロフ) - 大好きです!愛されるべきヒロインな夢主と、図書委員の北斗くんが良すぎて一気に読み切ってしまいました、ピュアピュアな夢主と拗れてる北斗くんをナイスアシストしすぎた樹に助演男優賞をあげたいです。他の世界観も読みたくて、他の物語も楽しく拝見させて頂きます! (2023年2月6日 1時) (レス) @page49 id: 5dbaf83bc8 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬(プロフ) - そぼろPさん» 最後までお読み頂きありがとうございました!お楽しみ頂けて嬉しい限りです!ありがとうございます!最後までお楽しみ頂けていたら幸いです。次回作もお楽しみ頂けましたらありがたいです! (2023年1月2日 22時) (レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
七瀬(プロフ) - akikumaさん» 最後までお読み頂きありがとうございました!最高のお言葉頂けて嬉しい限りです、、!次回作までありがとうございます!よろしければお楽しみ頂けましたら幸いです! (2023年1月2日 22時) (レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
そぼろP(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても楽しく拝見させていただいていました。終わり方もとてもすごく好きで、全てが好きな作品でした。次回作も楽しく読ませて頂いてます! (2023年1月1日 20時) (レス) @page46 id: cdebdf4adb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:七瀬 | 作成日時:2022年12月4日 22時