[アメコミ] Other [短編集] (ページ7)

今日:5 hit、昨日:6 hit、合計:7,419 hit

初対面 MCU ページ7

神が捕まったらしい。
「凄くユニークですね。」
それしか言葉が出なかった。勿論神の存在を否定する訳じゃない。
大真面目な顔をしてそう言う長官に向かって「お酒を飲みました？」とは聞けるはずもないし、トニー･スタークやらロマノフ等のメンバーが集められているこの状況からして只事ではないのは薄々気付いていた。
しかし前提として、神とはそんな簡単に捕まるものなのか？
しかも目立ちたがり屋でヒステリックらしいしどうにも信じられない。
「信じてないな。」
「いやそりゃあ…ハルクだって未だに嘘みたいですし…」
「自分の事は棚に上げて？」
「私は制御できます。怪物と一緒にしないでください。」
少しムッとして答えると、負けじと更にムッッと眉を寄せて長官が口を開く。
「…今、ソイツの兄とかいう奴も来ているんだが。」
「見ます。」

「えぇスッゴイ、スッゴイ。博物館で見たまんまですよ。コールソンのカードから出てきたんですか？」
「思いの外綺麗に解凍できたんだ。冷凍食品みたいに。」
「凄い。あの金髪が神の兄？派手ですね。」
「神とは目立ちたがり屋なのかもしれんな。」
モニター越しに超人たちが集結した会議の様子を覗き見る。
唯一話した事がある人間はロマノフとバートンのみで、テレビでよく見るスタークや博物館のキャプテン･アメリカ等こちらが一方的に知っている有名人が動いて喋っている様子に何とも言えない優越感がじんわり拡がる。
「おもしろーい。」
「コラコラ、動物園じゃないんだぞ。」
あまりにものめり込んで見ているもんだから、ついにコールソンからストップが掛かった。
キャプテンがいるよ、と指でモニターをトントンと叩けば半ば呆れた様に優しく微笑み「仕事があるからあっちに行ってなさい。」と諭すように指示される。
「お父さん…？」
「何だ。」
「なぜ長官が返事を？」
「2人共いい加減に。」

「長官。」
「……。」
「やる事無いんでしょう。」
「いや、有る。有るが、私の所に来る前に全てコールソンが片付けてしまう。」
「彼も苦労人だなぁ！」
「やぁ長官。久し振りだな。」