【gnsn】最近やけに…【魈】 (ページ6)

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あれから数日。
あの男が言った通り、その後痛みも残滓の影響も治っていつも通りの体調でいつも通りの日々を過ごしていた
あの薬は一体誰が作ったんだろうか。仙人？いや仙人がファデュイの輩に手渡す訳がないか…
じゃあ一体誰の…

「何かあったのか。考え事とは珍しいな」

望舒旅館のテラスで休憩していたらいつの間にか魈が隣に立っていて私をじっと見つめ問いかけられた
ハッと我に返る

「ううん何でもないよ。魈も休憩？」
「お前を見かけたから寄っただけだ。何も無いならいい」

魈を気にかけてやれ。
鍾離の言葉を思い出す。そういえばそう言われてたんだった
私は魈をじっと見つめる

「っ何だ、何か用か」
「いや、鍾離に言われたの。魈を気にかけてやれって」
「え…し、鍾離様が？」
「うん」
「まさか、何か聞いたのか…？」

誰がどう見ても動揺してる魈。珍しい反応をする魈を見た私は不覚にも可愛いと思ってしまった
何をそんなに動揺してるんだろ…

「最近、魈が私の事を気にかけてるからお前も気にかけてやってくれって言われただけだよ」
「……そう、か」
「今安心しなかった？」
「そんな事はない、いや、気にす……
なっ！」

思わず手を魈の額に当てた。仙人だから熱とか人間で言う風邪は引かないんだけど、なんか手が出てしまった
急に触られて固まる魈。手を振り払わないんだと思うと嬉しかった

「人ってこうやって相手の体調を感じ取るらしいよ」
「我は人間じゃ「なんかしたくなった。熱くないし大丈夫だね」

ふっと笑って手を下ろす。魈は目を見開いて固まっている。さっきの鍾離の話をした瞬間から反応が変わっ…
え？まさか魈って…

鍾離の事が好き…とか？？
顎に手を当てて考える。いや、でも違うか、いやでも反応がそれだし…尊敬もして恩人で且つ……好き…
ぐるぐると思考を回していると魈が口を開いた

「…おい。何か勘違いしてないか」
「え？」
「口に出てたぞ。我にとって鍾離様は命を救って下さったお方だ、それ以上でも以下でもない」
「……口に出てた？」
「はぁ……
まぁいい。その様子だと大丈夫だな。何かあったら呼べ」

そう言うと私の返事を待つこと無く持ち場に去っていった。微かに残った風元素が風に乗っていく
私はそれをそっと掴むが空を切った

…鍾離じゃないなら何であんなに動揺してたんだろう。最近になってそれが増したような気もする
その時一つの可能性が頭に浮かぶ。

……いや。まさかね