58 ページ10
────
──
.
「 そうかもしれない。周りによく言われるんだ 」
「 いい女になったってことさ。それで、あいつが喜ぶものだったか？ 」
「 うん。何か渡そうと思ったけど、何も思いつかない 」
ガイアは顎に手を当てて考える素振りを見せたが、暫くしてゆっくりと首を振った。
「 俺はあいつとは長い付き合いだが、これといって思い浮かばないな。昔 送った花瓶も気に入ってくれなくてなあ 」
「 花瓶？ 」
「 あぁ、確か屋敷に飾ってくれてはあったと思うぞ 」
ごめんガイア。私はその花瓶を貴方の知らないところで、デザインがダサい、センスがない、置いてある理由が分からないと馬鹿にした。
「 ん？ なんだその顔は 」
「 い、いや。何でもない 」
傷つけるわけにはいかないので、花瓶のことについては特に触れなかった。
ガイアは再び何やら考え始めた。そしていい案を思いついたらしく、こちらを見下ろす。
ちなみに流れでこの広場にやってきたのだが、未だに私とガイアの手は繋がれたままだ。別に振りほどく必要もないと判断してそのままにしている。ひんやりしていて気持ちがいい。
「 この世界に一つしかないものなら、あいつも喜ぶんじゃないか？ 」
「 うーん。それはもうお宝だ。手に入れることは難しい 」
「 ないなら作ればいい。お前が一から考えて作り出せば、それは世界に一つしかないお宝になるだろ 」
「 ！ 」
ガイア、貴方は天才だ。
考えて、材料を集めて、一つの何かを作り出せば、それはこの世界に一つしかない代物になる。これならディルックも喜んでくれるだろう。
「 そうする。何を作るか考える。ありがとうガイア。貴方に聞いて良かった 」
「 お役に立てて何より。あぁ、後、突然で悪いんだが、少しこっちに寄ってくれるか？ 」
「 え？ どうして？ 」
「 でないと、ここ一帯が炎に飲まれるだろうな 」
意味がよく分からなかったが、私は言われた通りに一歩ガイアに近づいた……次の瞬間。チリッと肌を焼く何かにそちらを向くと、巨大な炎の鳥がものすごいスピードで向かってきていた！
「 全く、容赦ないな！ 」
ガイアは私の肩を抱き寄せると、剣をひと振りして寒気で炎の鳥を相殺した。爆風に目も開けられずにガイアの胸元に顔を押し付ける。一体 何が起こったんだ。
.
──
────
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 425人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
杏仁豆腐のスプーンになりたい - 続きすんごい気になる……更新頑張ってください…！ (4月29日 1時) (
レス) @page49 id: 6ae8607e98 (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐のスプーンになりたい - 流石に可愛すぎる (4月29日 0時) (レス) @page7 id: 6ae8607e98 (このIDを非表示/違反報告)
しゅた - 本当に面白いです！！きゅんきゅんして見てます！！！更新頑張ってください！ (2023年2月13日 12時) (レス) id: 7bb104c929 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 楓さん» うわあ！お返事遅くなりました！ありがとうございます！！その辺も書いてきますよ〜✍🏻 (2022年12月29日 19時) (レス) @page38 id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - ダァッ！！！！続きが気になります、、、主ちゃん一体何者なんだ、、 (2022年12月11日 13時) (レス) @page45 id: 4c22f265eb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りり | 作成日時：2022年11月21日 3時
