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「 A 」
誰かに名前を呼ばれた。ディルックはこちらに気が付かず、ドンナと会話をしている。じゃあ私を呼んだのは誰？
「 よっ。久しぶりだな。会いたかったぜ 」
「 ガイア！ 」
ガイアと会うのは、屋敷に送り届けてくれたあの日以来だった。彼は私の隣にまで来ると、ディルックとドンナの二人を視界に入れて「 おや？ 」と口角を上げた。
「 話しかけないのか？ 見たところ、お前はディルックとここに来たんだろ 」
「 うん。でも邪魔したらいけないと思って待ってる 」
「 おいおい。向こうが気づかない限り話は終わらないんじゃないか？ 」
「 …うん。けど……邪魔したらいけないと思って…… 」
俯く私の手のひらを、ガイアが下から持ち上げるように触れた。意外にも冷たい手に驚いていると、そのままディルックとは反対の方向に引っ張られる。
「 それじゃあお嬢さん、俺と夜の散歩とでもいかないか 」
「 えっ。でも勝手に離れたらディルックに心配をかける 」
「 あの花屋の店主が説明してくれるさ。それに、お前に気がつかずに他の女といつまでも話しているあいつが悪い。そうだろ？ 」
いや、別にディルックは何も悪いことはしていない。元はと言えば待たせているのは私の方だし、彼はその間にドンナと話していただけのことだ。
だというのに、私がガイアの手を振り払うことはなかった。ディルックがドンナと話しているのなら、私だってガイアと一緒に散歩くらいしてもいいだろう。少し離れるくらいだったら大丈夫。……いつもならこんなめちゃくちゃなこと考えないのに。
「 そういえばA。お前、随分と雰囲気が変わったんじゃないか？ 」
「 話し方を変えてみた。変かな？ 」
「 いいや。俺はそっちの方が好きだぜ 」
「 ありがとう 」
私とガイアは西風大聖堂の前の広場にやってきた。ここにある風神像でウェンティと過ごしたことは記憶に新しい。
「 ガイアはディルックの誕生日のディナーには来るの？ 」
「 ん？ あぁ、確か招待状が来てたな。美味い酒を飲めるだろうし、行かない選択肢はないな 」
「 ねぇガイア。ディルックは、何を貰ったら喜ぶかな 」
「 ……はははっ。A、見ない間に随分 感情豊かになったな。機械のように話してたのに、すっかり人間らしくなった 」
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杏仁豆腐のスプーンになりたい - 続きすんごい気になる……更新頑張ってください…！ (4月29日 1時) (
レス) @page49 id: 6ae8607e98 (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐のスプーンになりたい - 流石に可愛すぎる (4月29日 0時) (レス) @page7 id: 6ae8607e98 (このIDを非表示/違反報告)
しゅた - 本当に面白いです！！きゅんきゅんして見てます！！！更新頑張ってください！ (2023年2月13日 12時) (レス) id: 7bb104c929 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 楓さん» うわあ！お返事遅くなりました！ありがとうございます！！その辺も書いてきますよ〜✍🏻 (2022年12月29日 19時) (レス) @page38 id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - ダァッ！！！！続きが気になります、、、主ちゃん一体何者なんだ、、 (2022年12月11日 13時) (レス) @page45 id: 4c22f265eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りり | 作成日時：2022年11月21日 3時
