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私が返事に困っていると、強く手を引かれて彼の腕の中にすっぽりと閉じ込められてしまった。あの時とは違う優しい触れ方。行き場のない両手を暫く宙に彷徨わせたが、少しして遠慮がちに彼の背中に回した。
とくとく。ディルックの胸から心臓の音が聞こえてくる。もしかしたら私の心臓の音も聞こえているのかな、と考えるとなんだか照れくさかった。
「 ありがとう。とても嬉しいよ 」
「 そ、そう。喜んでもらえてよかった。一生懸命 作ったから 」
鼻先が首筋に触れてくすぐったい。私は背中に回した手でディルックの赤毛を弄びなから身をよじった。
「 僕も君に渡したいものがあるんだ 」
「 私に？ 」
「 あぁ。本当はもう少し後で渡そうと思っていたんだが… 」
ディルックは少し離れると、何やらアクセサリーのようなものを差し出した。赤と金のスクリューチェーンが綺麗なネックレスは、何故かトップの部分が何かを嵌め込むような空洞になっている。
彼は私に神の目を渡すように言った。いつも無造作にポケットに突っ込んであるだけの神の目を渡すと、それはネックレスの空洞部分にぴったりと嵌ったではないか。
「 神の目は決して手離してはいけない。ポケットに入れていたらまた落としてしまうかもしれないから 」
「 こっ、…こんな素敵なもの。私がディルックに贈ったのはただの髪留めだ 」
「 ただの髪留めじゃないよ。君が贈ってくれたというだけで何にも代えがたい価値がある。ほら、後ろを向いて。つけてあげよう 」
ディルックは私の肩を掴んでくるりと後ろを向かせた。ネックレスをつけるために髪の毛を優しく払われる。その際に彼の指が首筋に触れて、ピクリと肩が跳ねてしまった。
背後から回った手が首元にネックレスをつけてくれた。神の目は私の胸の上あたりで淡く光る。これならもう落とすことはないだろう。
「 ありがとう、ディルック。すごく嬉しい。貴方の誕生日なのに私までこんなに素敵なものを貰ってしまっていいのかな 」
「 僕が好きでしたことだ。……あぁ、でも、君にもう一つだけ頼みたいことがある 」
「 ん、何？ 」
ディルックは頬をかき、その頼みを口にした。私はもちろんだと頷き、彼の頼みに応えるためにニコリと笑ってみせた。
「 誕生日おめでとう、ディルック。貴方が生まれてきてくれたことに祝福を 」
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杏仁豆腐のスプーンになりたい - 続きすんごい気になる……更新頑張ってください…！ (4月29日 1時) (
レス) @page49 id: 6ae8607e98 (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐のスプーンになりたい - 流石に可愛すぎる (4月29日 0時) (レス) @page7 id: 6ae8607e98 (このIDを非表示/違反報告)
しゅた - 本当に面白いです！！きゅんきゅんして見てます！！！更新頑張ってください！ (2023年2月13日 12時) (レス) id: 7bb104c929 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 楓さん» うわあ！お返事遅くなりました！ありがとうございます！！その辺も書いてきますよ〜✍🏻 (2022年12月29日 19時) (レス) @page38 id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - ダァッ！！！！続きが気になります、、、主ちゃん一体何者なんだ、、 (2022年12月11日 13時) (レス) @page45 id: 4c22f265eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りり | 作成日時：2022年11月21日 3時
