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「 あの時のことを謝らせてくれ。君の気持ちも考えずに酷いことをした。……すまない 」
「 いや…私こそごめん。ディルックは私のことを心配してくれていたのに、それを無下にするような真似をした。これからは……ちゃんと警戒心を持つようにする 」
私はポケットに手を突っ込み何の包装もされていない髪留めをディルックに差し出した。彼は不思議そうに手のひらを向けたので、ぽとりとその上に髪留めを落とす。壁にかけられたランプの微かな炎が装飾品を照らしている。
ディルックが説明を求めるように見つめてきたので、照れくさいけれど話すことにした。
「 誕生日プレゼント。ガイアとは、このことについて話していた 」
「 プレゼント、僕に？ 」
「 うん。私が作ったんだ。それに必要な素材を手に入れるために秘境に入り浸っていた 」
「 もしかして毎日 朝帰りが続いていたのは 」
「 それは璃月にまで行っていたから。ガイアのところになんて行っていない。心配かけてごめんね 」
ディルックは五指でゆっくりと髪留めを包み込み小さく私の名前を呼んだ。もしかして気に入ってもらえなかったかなと不安になっていると、彼は突然 結っていた髪を解いた。炎のように赤い髪が腰元まで垂れる。
彼は私が贈ったばかりの髪留めを口に咥えると、慣れた手つきで髪を束ねはじめた。その一連の動作に見惚れてしまい、私は指一本 動かせない。
髪を高い位置で束ねると、ディルックは軽く頭を振った。キラリとランプの炎に照らされて梟が光る。
「 ……素敵だ、ディルック。貴方によく似合っている 」
何とか絞り出した声はきちんと彼に届いただろうか。ディルックは両の手袋を外してテーブルの上に置くと、また「 A 」と私のことを呼んだ。「 何？ 」そう返事をすると、アルコールのせいで熱を持った瞳をこちらに向けた。
「 君を抱きしめたい 」
「 だき…えっ 」
「 頼む。君に触れたいんだ 」
断る理由はなかった。ディルックに触れられることは嫌では無いし、彼のことは信用している。いや、しかしついさっきこれからは警戒心を持つようにすると宣言した手前、易々と頷いてしまっていいのだろうか。そもそも彼の言う警戒はディルック自身も含まれているのか。
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杏仁豆腐のスプーンになりたい - 続きすんごい気になる……更新頑張ってください…！ (4月29日 1時) (
レス) @page49 id: 6ae8607e98 (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐のスプーンになりたい - 流石に可愛すぎる (4月29日 0時) (レス) @page7 id: 6ae8607e98 (このIDを非表示/違反報告)
しゅた - 本当に面白いです！！きゅんきゅんして見てます！！！更新頑張ってください！ (2023年2月13日 12時) (レス) id: 7bb104c929 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 楓さん» うわあ！お返事遅くなりました！ありがとうございます！！その辺も書いてきますよ〜✍🏻 (2022年12月29日 19時) (レス) @page38 id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - ダァッ！！！！続きが気になります、、、主ちゃん一体何者なんだ、、 (2022年12月11日 13時) (レス) @page45 id: 4c22f265eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りり | 作成日時：2022年11月21日 3時
