Existence10 ページ10
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中也は太宰の後を歩きながら、先程の整の言葉を頭の中で反芻していた。
『荒神』
奴は確かにそう云った。“
太宰が話した？ それはありえない。
奴が神とか悪魔の類を信じるとも思えねぇしな。なら、何故＿＿＿＿
｢一寸聞いてる？｣
太宰の不満げな声が思考を邪魔する。
返事の代わりに舌打ちを送ってやった。
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｢軍の施設……爆発……｣
手元に散乱する資料。それらには擂鉢街の成り立ちや政治・経済に至る様々な情報が詰まっていた。
どれも核心に迫るものは無かったが、これだけの情報があれば……
整には優れた記憶力がある。“完全記憶”と呼ばれる、一度見聞きしたものを決して忘れない能力だ。
資料の情報と今までの記憶。時期、威力的に見ても自分の推測は間違いないだろう。
“大戦終結の為に投入する予定だった最終兵器”それが、
“人格”は力を抑える為の制御装置だろう。整は苦笑を浮かべた。つまり、中也は
アッシュグレーの髪が風に揺れる。窓も扉も開いていないのに、空気が流れた。
頬を撫でる風は整の穏やかな表情を
廊下には見張り役である黒服が驚いた表情で整を見た。それもその筈。この一年、自分から部屋の外に出たことなんて無かった。
自分を部屋から連れ出すのは太宰か森先生しか居ない。
｢何処へ……｣
黒服達は整のことを“客人”として扱っていた。
太宰や首領との関わりから只者ではないと思われているらしい。
｢何処へ行こうが俺の勝手じゃない？｣
獲物を見つけた獣のように金目を細めた。黒服は僅かに怖気付いたが、自身の役目を思い出したように平生を取り繕った。
｢外出なら首領に許可を……｣
｢時間が無いんだ。見逃してくれないかな｣
穏やかな口調だが、微かに焦りの色が含まれている。
｢無言は肯定と見なすよ。処分は幾らでも受けるって森先生に宜しく！｣
黒服が口を開く前に整は走り出した。急いで行かなければならない。
灰の瞳を持つあの子の元へ。
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一言日記
髪伸びてきたな、自分で切ろうかな。
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歌恋 - 続きが楽しみです！お話が自分の性癖にドストライクでした… (12月31日 20時) (
レス) @page13 id: 48a7de9cc2 (このIDを非表示/違反報告)
Ashar(プロフ) - 姫歌さん» 姫ちゃんお久しぶりです！ ありがとう！ 色々落ち着いたからまた細々更新していきます〜！ (2019年8月14日 17時) (レス) id: 1b24626048 (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - おひさしぶりです。相変わらず最高でした! (2019年8月3日 18時) (レス) id: d8a4d97043 (このIDを非表示/違反報告)
Ashar(プロフ) - 小太刀さん» わぁい！ ありがとうございます！！ (2019年6月2日 17時) (レス) id: 1b24626048 (このIDを非表示/違反報告)
小太刀 - え、かっこいい好き (2019年6月2日 14時) (レス) id: 5299f2ee2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ashar | 作成日時：2019年6月2日 0時
