52話 ページ7
『とまぁ、そういう訳でして。心臓って凄いんですよ? 持ち主の意志がまだ残ってる』
目を閉じ、左胸に手をあて話した。
『持ち主が…この心臓の
体の所有権は自分のものだ、とでも言うかのように“異能力”という手段で乗っ取ろうとしてくる。
それもまたタチの悪い異能力で、ね。
交渉しようにも実体が無いものなので、如何しようも無かった。
次異能力を使う時が私の終わり…
私が私じゃ無くなる
自我が消え、破壊と殺戮を求めるものに成り下がる』
目を開き太宰の顔を真っ直ぐ見つめ微笑んだ。
『そうなる前に私を殺して下さい』
「Aさん、きっと何か方法があります。きっと…何か。だから…!」
敦は何かに縋るように云った。
『方法なんて無いよ。在るのは終わりだけ。私は皆を傷つけたくないし、誰かの命で生き延びるのは…もう厭なんだ』
「Aちゃん…本当に良いんだね?」
「太宰!」「太宰さん!」
国木田と敦の声が重なった。
『それが私の依頼なので』
太宰が何とも云えない顔で笑った様に見えた。
いや、本当は表情に困り、口角を引き攣らせただけなのかもしれない。
どっちにせよ止めてくれなくて良かった。
これで心置き無く戦える。
恐れなど無い。
さァ、後は役者を揃えるだけ。
私と太宰さんと、薄田さん、貴方です。
貴方の実験が失敗だったことを証明して差し上げましょう。
_____私の存在をかけて
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四月朔日(プロフ) - とても面白いです。続き楽しみにしています! (2017年4月17日 9時) (レス) id: fcc84377d6 (このIDを非表示/違反報告)
アサヤ(プロフ) - 雄牙さん» ありがとうございます! 更新頑張ります…! (2016年12月26日 23時) (レス) id: e442709ae5 (このIDを非表示/違反報告)
雄牙(プロフ) - とっても良いです!面白いです!最高です! 更新頑張って下さい! 応援してます! 頑張って下さい! (2016年12月26日 19時) (レス) id: 568d874e06 (このIDを非表示/違反報告)
アサヤ(プロフ) - χCielχさん» ありがとうございます!! 期待に応えられるよう頑張ります…! χCielχ様の方も盛り上がって来ましたね…! 朔くんはセシル君とはまた違った雰囲気があって好きです…! (2016年12月7日 23時) (レス) id: e442709ae5 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 続編、おめでとうございます!楽しく読ませて頂いております。これからも頑張って下さいφ(。。*) (2016年12月7日 18時) (レス) id: 8739b32233 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アサヤ | 作成日時:2016年12月6日 23時