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藤井side
レジの方へ向かう先ほどの女の子の家族が見えた。
「ありがとうございましたー」
女の子「お兄ちゃん！スパゲッティすごく美味しかった！ありがとうー！」
「おう、俺が作ったんやないけどな、こちらこそありがとう」
ばいばーい！と元気に手を振る女の子。
あー、お客さん全員あんな子やったら楽やのにな〜。
ロリコンか俺は。
ちゃうやろ、俺にはAがおるんやから。
別にそういう間柄ではないけどな。
さっきの家族のテーブルを片付けようと向かうと、ソファにクマのぬいぐるみ。
ちょいちょい、さっきの子のやない？これ。
女の子の笑顔がふと頭の中に浮き上がる。
自分には珍しく、焦りを感じた。
なにも考えることなく、クマのぬいぐるみを持って外に駆け出してた。
ガチャッ、
ドアを開けてから右を見て、左を見る。
「！、おった…！」
遠くにだが、3人の影がある。
「お客様！忘れ物です！！」
ひっさしぶりにこんな大きな声だした。
ん？と不思議そうに3人がこちらを見た。
小走りしながら向かうと、
女の子「あれ？さっきのお兄ちゃん！」
母「どうかしましたか？」
「すいません。これ、君のやない？」
女の子「あれ？ポチだ！」
ポチってネーミングセンスすごいな。
母「あら！すみませんわざわざここまで…」
「いえいえとんでもない」
父「ほら、美紗。ありがとうは？」
女の子「お兄ちゃん、ありがとう！」
「はい、どういたしまして。もうポチ忘れんとって。悲しんでたから」
女の子「分かった！ごめんねポチ。」
母「ありがとうございました」
「いえいえ！こちらこそありがとうございました。またお待ちしております」
女の子「お兄ちゃん！また食べに来るねー！」
「おう！待ってんでー！」
元気に手を振る姿を見届けてから、また店に戻った。
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作者名：「」 | 作成日時：2018年4月24日 10時
