悪徳警官の部下に弱味を握られました Ⅱ【hpmi】 (ページ8)

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五十五縄目ページ8

銃兎side
銃兎「理鶯にA、ぐっすりと眠ってますね…理鶯が眠るとは珍しい」
左馬刻「疲れたんだろ…色々とあったしな」
渋滞する高速道路に進まぬ車。普通ならムカついてキレ散らかしてたが今日は気分が良い為か全くそんなことは思わなかった。左馬刻は先程からずっとタバコを吸い続けていた。
暫くしてやっと動き出した車。まだ旧サイタマ地域の為まだまだ時間は掛かるけどな。
暫く続いた静寂をかっ切ったのは左馬刻だった。
左馬刻「なあ銃兎」
銃兎「どうかしたか？」
左馬刻「……A、大切にしろよ」
銃兎「それぐらい分かってる……お前もA取んなよ」
左馬刻「ハハッ！お前が手放すまで取らねぇよダボ」
何時もならバカにされたら俺は直ぐにキレてしまうが、今日はその気持ちを抑え、そのまま鼻で笑う。
銃兎「ハッ、Aを手放す気はハナからねぇよ……俺が唯一惚れた女だ。誰にも取られねぇようにしてやるよ」
左馬刻「おーおー、ウサちゃんは独占欲が強いこった」
自分の独占欲が強いのは承知している。しかも俺は“大切な人”を亡くしたことがあるから“余計に”強いし激しい。それをAに見せないようにしているが、どうもコントロール出来ない。でもAは否定しない。
それで本当にいいのだろうか、と考え込んだ。

数時間後＿＿
銃兎「やっとヨコハマか…」
旧ヨコハマ市に到着し高速道路を降りてコンビニで休憩する。
あの後左馬刻も寝てしまい、ずっと一人で黙って運転するだけだったからしんどかった。
コンビニに入り真っ先に飲み物のコーナーに行く。コーヒーを四つ手に取りそのままレジへ向かい金を払う。
車に戻るとAが起きていた。
『おはよぉ…銃兎ぉ…』
銃兎「はいおはようございます…コーヒー、飲みます？」
『んー…飲むぅ……』
寝惚けているのか、少し言葉がハッキリしていないようだった。可愛いな……。
プシュッ、とコーヒーの封を開け一口飲む。

…………不味い…。左馬刻のコーヒーに舌が肥えてるんだな…痛感した。
『フゥ…美味いなぁ…やっぱブラックに尽きる…』
銃兎「ついこの間までミルク突っ込んでたお子ちゃまだったのにな(笑)」
『うーるーさーいーー！！』
ぷくぅ、と頬を膨らませ怒るA。思わず頬が緩む。彼女が何をしていても可愛くて仕方ない。
銃兎「フフッ…すみません…貴女が可愛くて仕方ないんですよ」
彼女の頭をそっと撫でるとAはニコリと静かに笑みを浮かべた。