悪徳警官の部下に弱味を握られました Ⅱ【hpmi】 (ページ5)

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五十二縄目ページ5

Aside
『左馬刻』
左馬刻「どーした…シケた顔しやがって…何かあったか」
『そう言う訳じゃない…聞きたいことがあってな』
左馬刻「おー…」
『今日…さ何で唐突に出掛けたい、なんて言ったんだ？』
そんな問いかけをすると左馬刻はフッ、と笑った。
左馬刻「ンだよそんなことか…いいぜ話してやるよ」
左馬刻は吸っていたタバコを灰皿に押し付け火を消し、私と目を合わせた。
左馬刻「最近お前らは色々あって疲れてるって思ったンだよ。だから気晴らしっつう訳じゃねぇがどっか出掛けてぇなって思っただけだ」
と言うと左馬刻は照れくさそうに笑った。
『そっか…ありがとうな』
左馬刻「気にすんな。俺様が連れてきたかっただけだ」
左馬刻はまたタバコを一本取り出し、ジッポで火をつけまた吸った。
左馬刻「ンじゃあ…今度は俺様の番だな」
『おう』
左馬刻は何処か遠くを見詰めながら口を開いた。

左馬刻「俺は…お前が好きだった」
『………ぇ』
突然の告白に驚いてしまった。左馬刻が私のことを好き…なんて思いもしなかった…。“だった”と言うことは過去形。
左馬刻「今は銃兎と付き合ってンだろ？」
『ぅ、うん』
そして左馬刻は真剣な表情で
左馬刻「ハッキリ言ってくれ。俺のことをお前はどう思ってンだ…A」
この言葉を聞いて理解した。左馬刻は恐らくまだ私のことを諦めていない。私の返答次第で吹っ切れるか奪うかで迷ってるように見えた。
でも、私はもう決まっている。
フゥ…と深呼吸し、私は恐る恐る口を開いた。

『私は…左馬刻のことを恋愛的に好きじゃない』

その言葉を聞いて左馬刻は一瞬悲しそうな表情をしたが、その言葉を聞いて吹っ切れたのか左馬刻はフッ、と軽く笑みを浮かべた。
左馬刻「そーかよ。これでようやく諦めて切れたぜ」
『…申し訳ないな』
左馬刻「テメェが謝ることじゃねぇよ。俺様が勝手に思い込んでただけだ」
左馬刻は再度タバコを灰皿に押し付け火を消し、タバコをまた一本取り出す。
ベンチに深く座り、背もたれに肘を置き左馬刻はまた口を開いた。
左馬刻「フゥ………なあA」
『なに…？』
左馬刻「銃兎と過ごす日々…無駄にすんじゃねぇぞ」

『分かった…今の言葉、心に刻んどく』
そう言うと左馬刻は満足したのか、優しくやわらかい笑みを浮かべた。

『なぁ左馬刻＿』
話し掛けようとしたが
銃兎「結構荷物多かったな…」
理鶯「そうだな…」
銃兎と理鶯さんが帰ってきてしまい、左馬刻と話すことはできなかった