とりあえず帰って寝よう。うん。 ページ44
阿伏兎が茜の顔を見て苦笑いを浮かべた
阿「オイ団長…その女…どこで知り合った」
神威は茜の腕に自らの腕を絡ませ
威「俺のお嫁サン。ラーメン奢ってくれたんだ」
今にも語尾に音符がつきそうなほど機嫌よく話す神威
阿伏兎が呆れたように頭を抱える
阿「団長…その女は…警察庁の番犬じゃねェか」
ハズレを引いたなと言う阿伏兎に
え?と目をぱちくりさせる神威に対して
茜も阿伏兎を見上げ、恐る恐る手を挙げて質問する
茜「あのー。君らは一体何者だ?」
阿「オイオイ嬢ちゃん。知らねェのか?
___宇宙海賊春雨第七師団…とまで言えば分かるか?」
その名前を聞いて茜の頭の中にあった記憶が呼び起こされる
春雨第七師団は数少ない傭兵部族"夜兎族"で構成された組織のひとつ
そういえば、裏ルートで入手した春雨の顔写真にコイツとそっくりの顔があったようななかったような…
自分の腕に巻きついた神威を見つめた
阿「まァそんな訳で団長の面倒見てくれてありがとよ嬢ちゃん」
威「またネ。茜」
神威は茜から離れ、茜に跪く
茜の左手を取り、手の甲に優しくキスを落とした
茜「え。」
突然のことに茜は固まる
神威は屋根に飛び上がると未だ固まる茜に手を振って
二人は去っていった
茜は自分の手の甲を見つめ、長いため息を吐く
今の茜に二人を追ってしょっぴく元気はない。
財布の中は空っぽになり、自分はラーメンを一口も食べれず、さらに浪士に襲われ、戦闘狂のアホ毛の相手をしたのだから。
茜「…とりあえず帰って寝よう。」
茜はすっかり暗くなった夜の街をとぼとぼ歩き出した
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作者名:あかお | 作成日時:2020年8月11日 3時