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一方、お妙は柳生敏木斎に耳かきを頼まれ、耳かきをしていた。
敏「しかしあのお妙君がな〜」
妙「ちゃんです」
敏「九兵衛とよく遊んでたあのちっさいのがまさか嫁ぎに来るとはな…でもまァ色んな奴にいびられとるようだが大丈夫か?」
妙「ええ、これ位で負けていたら柳生家の嫁はつとまりませんわ」
お妙はニコリと笑い、そう言う
敏「本当か〜」
敏木斎の一言に思わず固まってしまうお妙
理由は二つあった。
一つは、まだ自分の心の中のどこかに迷いがあること
もう一つは…
敏木斎の耳からとんでもない大きさの耳クソが出てきたこと。
敏「本当はこの縁談も乗り気じゃないんじゃないの?他に誰かいるとか?」
ずぽんッ
お妙は何かとんでもないモノを耳から取り出してしまった気がした。
敏「言っちゃいなよ。なーんか隠して…
慌てて耳くそを元の場所に返す
妙「隠してません!!わっ…私何にも見てません!」
敏「え?あ…そう」
耳かきを終えた敏木斎はお妙の隣に腰掛ける
敏「…そうか。俺ァてっきりまだあの事気にしてんじゃねーかって…」
お妙は敏木斎の言葉には何も答えず、ただ目を伏せるだけ
敏「それならいい。茨の道になるやもしれんが、俺ァ若い二人を応援するぜ」
すると、敏木斎は懐から一枚の皿を取り出し、額に巻き付ける
妙「おじい様…どこへ?」
敏「ちと うるさい連中が来とるようでな。ちょっくら行ってくらァ」
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作者名:あかお | 作成日時:2020年6月28日 0時