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「遠慮する。今腹は全く空いてな…」
グルルルルル…ギュルルル〜〜〜
自らの腹から聞こえた音に茜さんは頬を染めた
茜さんは素直じゃないが、腹は正直なようだ。
小宮家にて___,
「「いただきまーす!」」
「…いただきます。」
「どうぞ、召し上がれ」
母さんが優しく微笑み、ご飯を盛った茶碗をそれぞれの盆の上に置いた
茜さんの箸は進んでいた。口に合うようでよかった
心做しか少し嬉しそうに見える。
「いつも、息子達がお世話になっております。それと、この前は助けていただいてありがとうございました」
茜さんが数秒動きを止め、思い出したように口を開いた
「あーいえいえ…そんな大したことじゃないですよ」
ぱくりとご飯を頬張る
「こんなものしか出せませんが、どうぞ食べてってください」
「いや、構いません。むしろ有難いです。まともにご飯食べてなかったので」
茜さんの言葉に僕らは箸を止めた
「えぇ!?茜さんご飯食べてなかったんですか?」
「あぁ。ダンボール生活だったし」
「えぇ!?茜さんもしかしてホームレスですか!?」
俺は国俊をごついた
「馬鹿か。誰だってご飯食べない日もあるし、ダンボール生活する日だってあるに決まってるだろ。
きっと茜さんダンボールで寝たい気分だったんだよ」
「いや、ダンボールで寝たい気分って何。」
「すいません、うちの国俊が。でも、兄の方がフォローしましたから。ご安心を」
「いや、何を安心すればいいの」
「愛蔵は昔からフォローが上手くて"フォロ蔵"と呼ばれてるんです」
母さんンンン!?何それ新しい設定!?
俺そんなの聞いてないいい
フォロ蔵そんなの聞いてないよォォォ!!!!
「…甘いな。私の部下にはもっとフォローが上手い奴がいる。…フォローの土方と呼ばれる男…その名も
いや、二人とも何張り合ってんの!?
なんか火花散ってるし!!
てか
そんな談話を繰り広げながらあっという間にご飯を平らげた。
愛蔵と国俊が、明日の仕事の準備をする為それぞれの部屋へ向かった。
一方、茜は愛蔵達の母親である小宮雪と火鉢の前に並んで座っていた
「すみません…ご飯ご馳走になったのに寝床まで…」
慣れない敬語を使いながら茜は申し訳なさそうに謝る
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あかお(プロフ) - ( ゚∀ ゚)ハッ!コメントありがとうございます!頑張ります!これからもよろしくお願い致します! (2020年6月4日 0時) (レス) id: 44a4940930 (このIDを非表示/違反報告)
天智就佐(プロフ) - 書き出しからセンスが凄い…!更新頑張ってください! (2020年6月4日 0時) (レス) id: b2ae4e5a5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あかお | 作成日時:2020年6月4日 0時