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団子屋での騒動があってから数日が経った
仕事に出ようと二人は玄関に向かったその時、門を乱暴に叩く音が聞こえた
またあの男だろう
双子は嫌そうな顔をして顔を見合わせ、門を開ける
そこには腰に刀を差し、腕組みをしてこちらを見下すような目でこちらを見る男は
ったく遅せぇんだよ…とブツブツ呟きながら
「おい、そろそろ譲ってくれてもいいんじゃねェの?」
そう言い、家を見上げる
蔵「何度も言ってるじゃないですか。ここは母さんと父さんの家です。あなたがたとえ、血縁者であろうとこの家は渡さない」
国「そーだそーだ。もしかしておじさん家ないの?」
ここは小宮家が代々住む家
三年前までは父が家主だったが、父が他界してからはこの家主の権利は母へと譲られた。父が唯一遺したものとして俺たちはこの家だけは失いたくなかった。
すると、男は顔を引きつらせ
「ガキ共には関係ねェんだよ…さっさと母親を出せ。俺を誰だと思っていやがる?」
「この家くらい簡単に取り壊せるんだぜ」
これだから自分の地位を利用して物事を都合のいい方向へ持っていこうとする大人は嫌いだ。
___
遠い小宮家の血縁者だが、幕府の人間という立場を利用してここの土地まで奪おうとするなんて
母「どうしたの?愛蔵…」
騒ぎが部屋の奥まで聞こえたのか心配そうな声で近づいてくる母
十郎の姿を捉えると顔を青くしたが、拳を握りしめ愛蔵と国俊の間に割って入り、男の前に立つ
母「…何度言ったらわかるんですか。ここは私たちの家です。あなたがここの土地を奪う権利はないはずです」
男はニヤリと笑い、腰に差した刀を撫でながら母を見る
「大人しく渡してくれりゃァ命は助けてやってもいいぜ」
しかし、母は全く恐れる素振りは見せず、負けじと男を睨みつける
「…ぐぬぬッ…このクソアマぁ!!」
怖がらない母に痺れを切らしたのか十郎は拳を強く握り締め、母に振り上げるが、国俊が母を庇い地面に打ち付けられた
蔵「国俊!!」
十郎の両隣に立つ近侍の男二人は無理矢理門の中へ入ろうとする
必死で食い止めようとするが、男達は俺達を何度も押し退ける
そんな中、明らかに棒読みに近い声が聞こえた
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あかお(プロフ) - ( ゚∀ ゚)ハッ!コメントありがとうございます!頑張ります!これからもよろしくお願い致します! (2020年6月4日 0時) (レス) id: 44a4940930 (このIDを非表示/違反報告)
天智就佐(プロフ) - 書き出しからセンスが凄い…!更新頑張ってください! (2020年6月4日 0時) (レス) id: b2ae4e5a5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あかお | 作成日時:2020年6月4日 0時