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第90話 ページ5

「...晋助。」

着流しを着た背中に声をかける。

煙管を片手に窓の外を見つめながら煙を吐き出す。


「明日の早朝、港に降りる。お前はそこで降りろ。」

いつもと変わらない口調
だけど、少し辛そうなのは私の気のせいだろうか。




「‥‥‥一つ、良いかしら?」


晋助の前へと進み出る
また子達はその様子をじっと見守っていた。


Aはゆっくりと包帯を解き始めた。

包帯が完全に解け、床に包帯が落ちる。
目に入った菌のせいか、若干右眼は濁っていた。

けれども、凛々しく晋助を見つめるその姿に幹部達は思わず息を飲んだ。




そして、次の瞬間______,









Aは懐から出した短刀を取り出し、

自らの右眼に突き刺した。



床に鮮血がポタポタ垂れる

今までの痛みの中で一番痛い。それもそうだ。実際に目を抉っているのだから。

叫びたくなるのを唇を噛んでなんとか耐えた。勢いよく唇を噛んだ為、唇から血が滲み、口からも血が垂れる。


幹部達だけでなく、晋助までもが目を見開く。
驚きのあまり誰もすぐには動けなかった。


「A先輩ッ...!何やってンスかッ!!」


また子が駆け寄ろうとするが、武市に止められる。



もう、二度と見えない
もう、二度と開かない右眼


Aは血が流れ続ける右眼を閉じたまま晋助をまっすぐと見つめた



「晋助、私は...貴方に会えてよかった。貴方について来て本当に良かった。...もう充分。普通なんかいらない。綺麗な着物も、甘味も、要らないわ。
"普通の女"の生活なんて望んでないの。」


私は...

私はね、ただ____

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かの(プロフ) - 了解です!続編楽しみに待ってます!! (2021年8月25日 0時) (レス) id: ee87e6c279 (このIDを非表示/違反報告)
あかお(プロフ) - かのさん» すいません(汗)まだ一話もできてないので、まとめて更新する際、パスワード解除して一般公開する予定なのでもう少し待ってくれると嬉しいです!ここまで読んでくれてありがとうございます! (2021年8月19日 18時) (レス) id: 44a4940930 (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - 続編はどうやったら見れますか? (2021年8月19日 17時) (レス) id: ee87e6c279 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あかお | 作成日時:2021年3月3日 19時

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