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第102話 ページ17

なんで?こっそり出たはずなのに、いつからバレてた?なんでここが分かった?

「お前…何してんだよ」

紫の髪の男の子。確か高杉といったか。
寝間着姿のまま、息を切らして立っていた。

私の手に持った包丁を見て口を開く


「…アイツら殺したってどうにもならねェだろ」

カッと身体が熱くなった。ああ、やっぱりコイツもただの偽善者なんだ。復讐からは何も生まないなんて、綺麗事を言って。そんなの分かってる。だけど、殺さなきゃ私の気が済まないの!私は本当に辛いのに、誰も分かってくれない。

「ッ‥‼肉親を殺されても復讐しちゃいけないの!?」

高杉は一瞬だけ目を見開く

「じゃあ…じゃあ私は…今まで何のために生きてきたの!?もう…生きる理由がこれしかない。アンタみたいな奴に私の辛さが分かるかよ!!!」

口調は悪いが、見るからに育ちは良さそうだった。
決して不便な生活ではなかったのだろう。



「…俺達や先生がお前の復讐のために助けたと思うなよ!!」

声を荒らげ、私に怒鳴る高杉
なぜ怒っているのか私には分からない。

「自分だけ被害者ヅラしてんじゃねーよ!復讐なんて手段に出んなら最初から一人で抱えんなよ!」


「ッ…一人で抱えるなって、今までずっと独りだった私に相談できる相手なんているわけないでしょ!」

「今は違うだろ!…俺達がいる。」

その言葉にAは戸惑う。

見ず知らずの私を、あの短期間でこの人達は仲間として受け入れたの?


雨が激しくなり、天人の男達の声も既に消えていた。


「帰るぞ。…近くにいねェと、お前が泣いてるのも分かんねェよ」

私の手を乱暴に掴み、松下村塾のある方向へと歩いていく。振り払うこともできた。だが、それをしなかったのは帰る場所があることが嬉しかったから。

みんなを、信じてみようと思ったから。

高杉の手は本当に子供の手か?と思うほどマメができており、硬かった。でも暖かくて、優しくて安心した。

せき止めていた何かが溶けて、涙が溢れ出した。
自分でもびっくりし、急いで拭うが、止まらない。



「…バレねェよ。こんだけ雨降ってんだから。」


高杉はこちらを見ず、ぼそりと言った。









帰ると、何故かみんなびしょ濡れだった。

私の足音に先生が目を覚まし、みんなで私を探し回ってくれていたらしい。

「おかえりなさい。A」

松陽ニコリと笑った。
これから、ここは私の帰る場所なんだ。




もう、雨は止んでいた。

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かの(プロフ) - 了解です!続編楽しみに待ってます!! (2021年8月25日 0時) (レス) id: ee87e6c279 (このIDを非表示/違反報告)
あかお(プロフ) - かのさん» すいません(汗)まだ一話もできてないので、まとめて更新する際、パスワード解除して一般公開する予定なのでもう少し待ってくれると嬉しいです!ここまで読んでくれてありがとうございます! (2021年8月19日 18時) (レス) id: 44a4940930 (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - 続編はどうやったら見れますか? (2021年8月19日 17時) (レス) id: ee87e6c279 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あかお | 作成日時:2021年3月3日 19時

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