夢見草篇/松陽先生 ページ16
逢いたい人の名前を呟いてみたが、特に木が光出したりも、本人の姿も見えず、ただ風が吹いているだけだった。
____やっぱ、ただの迷信か。
確かにそうだ。桜が奇跡を起こすなんてそんなのありえない。
私もそこまで植物には詳しくないから
桜に似た別の木なのかもしれない。
そう思い、帰ろうと振り返った
___そこには、亜麻色の髪を靡かせた男の姿があった
茜は目を見開き、立ち止まる
自分の目に映るものが信じられない。
目を擦るが、その姿は消えない。
その男はふわりと笑い、茜を見つめた
動き出すのにそう時間はかからなかった
緩んで、首元から外れそうになるマフラーも気にせず
茜は男の元へ走り出す
それは夢のように消えたりしない。
幻のように触れられないこともなかった。
涙で視界がぼやけ、何度目を擦っても姿が消えることも無い
茜の目に映るその男___
紛れもなく、吉田松陽であった。
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雪乃(プロフ) - 続き待ってます (1月15日 1時) (レス) @page25 id: 3057047a96 (このIDを非表示/違反報告)
美結菜 - とても面白いです!続き楽しみにしています! (2023年2月15日 19時) (レス) @page25 id: f842e5f119 (このIDを非表示/違反報告)
tmailes(プロフ) - 楽しく読ませていただきました。更新楽しみに待ってます! (2021年5月19日 1時) (レス) id: ece380cb29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あかお | 作成日時:2020年11月8日 19時