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晋助があと少し力を込めれば茜は殺されてしまうというのに茜は晋助の目を見つめたままだ
鋭く睨む晋助に茜は残った左手で彼の頬に優しく手を当てる
茜「______やっぱり、お前はいつも冷たいな。」
優しく微笑む茜に高杉は目を見開いた
茜「…晋助はもう覚えていないと思うが、お前は冬によくカイロ替わりに私の手を握っていたな。まあ元々平熱が高いからな。_____確かに私の右手はもう暖かくないし、こんなんじゃ差し伸べられるのにも限りがあるかもしれない。
…だが、まだこの左手はお前の手を暖めるくらいはできるさ。
____先生はきっと、晋助の冷たい手を暖めるためにこの左手を残してくれたんだ。」
高杉はしばらく茜の目を見つめ続けたが、ふっと笑い茜の首に当てていた刀を離し、鞘に収める
晋「俺の為の左手なんざ、ふざけたことを言いやがる。」
高杉はそう言うが、さっきの鋭い目付きとは違い、少しだけ優しい目をしていた。
晋「___待ってろ。必ず迎えに行く。」
茜の黒髪を一束掬いあげ、茜の髪に口付けを落とす
高杉は編笠を被り直し夜の闇に消えていった。
自分の髪に突然キスをされ、何が起こったか分からない茜は放心状態に陥っていた。
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作者名:あかお | 作成日時:2020年5月19日 11時