検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:2,402 hit

二ページ目 ページ3

出会いは本当に偶然だった。


その日、魔界から課せられた任務に失敗し大怪我を負ったおそ松は、なけなしの魔力で生やした翼で魔界へ帰ろうとしていた。



「エクソシストめ、…あと…もう…少し、だった、の…に………っ」

クラクラする頭でそんな事を思ったのが悪かったのか、不意に集中力の切れたおそ松は地面に落下してしまう。



ドサッ、と大きな音を立てておそ松の体が地面に打ち付けられる。




澄んだ色の大きな湖と、辺りに飛び散って消える黒い羽。

そして、湖のほとりに座り月を眺める人影が目に映った直後、おそ松の意識は途切れた。









「……ん」


次に目覚めた時、一番最初におそ松の目に映ったのは、沈みかけた月だった。

気を失ったのは夜になってすぐだったから、結構な時間眠っていたことになる。



「あ、気がついたのですね」

その声に驚いて、おそ松が首を横に動かすと、湖の中からこちらを見ている人物と目が合った。

格好から見るに神様であろうその人物は悪魔であるおそ松が目を覚ましたことに心底ほっとしているようだった。


「………アンタ、は…?」
「…私はこの湖を治める女神です。ここで月を眺めていたら、いきなり後ろでものすごい音が聞こえて…」
「……振り返って見てみたら、俺だったの?」
「はい」

そういって、彼(?)は微笑む。


「……アンタが、俺を、助けてくれたの?」
「助けるとまではいきませんけれど、応急処置なら施しておきました」
「…………なんで…?」


____なんで、悪魔なんか助けたの?



おそ松がそう聞くと、女神は答えた。



「……貴方が、悪い人には見えなかったからです。確かに見た目はまんま悪魔ですけど、でも、何て言うか、悪魔らしくないって言うか…」



優しそうな悪魔さんだったから。






そう答え女神は、___チョロ松は、また笑ったのだった。

三ページ目→←一ページ目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (9 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
6人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 評価とお気に入りさせていただきました!とてもおもしろいです! (2016年4月9日 23時) (レス) id: 14b4946dbb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:RAN丸 | 作成日時:2016年4月9日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。