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出会いは本当に偶然だった。
その日、魔界から課せられた任務に失敗し大怪我を負ったおそ松は、なけなしの魔力で生やした翼で魔界へ帰ろうとしていた。
「エクソシストめ、…あと…もう…少し、だった、の…に………っ」
クラクラする頭でそんな事を思ったのが悪かったのか、不意に集中力の切れたおそ松は地面に落下してしまう。
ドサッ、と大きな音を立てておそ松の体が地面に打ち付けられる。
澄んだ色の大きな湖と、辺りに飛び散って消える黒い羽。
そして、湖のほとりに座り月を眺める人影が目に映った直後、おそ松の意識は途切れた。
「……ん」
次に目覚めた時、一番最初におそ松の目に映ったのは、沈みかけた月だった。
気を失ったのは夜になってすぐだったから、結構な時間眠っていたことになる。
「あ、気がついたのですね」
その声に驚いて、おそ松が首を横に動かすと、湖の中からこちらを見ている人物と目が合った。
格好から見るに神様であろうその人物は悪魔であるおそ松が目を覚ましたことに心底ほっとしているようだった。
「………アンタ、は…?」
「…私はこの湖を治める女神です。ここで月を眺めていたら、いきなり後ろでものすごい音が聞こえて…」
「……振り返って見てみたら、俺だったの?」
「はい」
そういって、彼(?)は微笑む。
「……アンタが、俺を、助けてくれたの?」
「助けるとまではいきませんけれど、応急処置なら施しておきました」
「…………なんで…?」
____なんで、悪魔なんか助けたの?
おそ松がそう聞くと、女神は答えた。
「……貴方が、悪い人には見えなかったからです。確かに見た目はまんま悪魔ですけど、でも、何て言うか、悪魔らしくないって言うか…」
優しそうな悪魔さんだったから。
そう答え女神は、___チョロ松は、また笑ったのだった。
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凛(プロフ) - 評価とお気に入りさせていただきました!とてもおもしろいです! (2016年4月9日 23時) (レス) id: 14b4946dbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RAN丸 | 作成日時:2016年4月9日 12時