明王兄 ページ4
当然、教室はシーンと静まり返る。
「…は？何言ってんの？」
最初に発言したのは狩屋だった。
「更生とか…ココ留学制度無いから俺達何もしなくても卒業できるし、今更真面目になるとかありえねーっての！」
「そーそー」
狩屋の言葉にさくらも同調する。
しかし仲野はその言葉に臆することなく、にっこりと微笑む。
「だーいじょうぶ！貴方達は本当はすっごく優秀なんだから！」
「仲野。慎重にやれと言っただろう！」
そういいながら不動が仲野の隣に立つ。
「えーっと…さっきこいつが自己紹介したが、こいつが今日からお前らの担任になる仲野Aだ。前担任の音無と同じく、0組の国語を担当する。こいつ自身問題児っぽいところあるけど…まあテキトーにやってくれ」
「テキトーじゃ駄目だよ明王兄！」
「明王兄と呼ぶな！！不動先生だろ！！」
「いーじゃん兄妹みたいなもんだし！」
「ここは家じゃねえ！」
そんなやりとりを見、さくらはにやりと笑う。
「えー何々？二人共どーいう関係なの〜？」
「ん？居候。明王兄が。14年以上前から」
「お前はもう黙ってろ」
仲野の発言を半ば強引に制し、あとは頼む、と言い残し不動は教室を去っていく。
「それではHRを始めまーす」
「ねーねーせんせー、彼氏いるー？」
HRを始めようとした矢先に飛んでくる狩屋の質問。
「ん？いないよ？」
「マジでー？ていうか何歳？」
さくらがそれに続ける。
「23ー。みんなとそんなに変わんないよー」
ニコニコしながら答える仲野。
「えー、じゃあAちゃんって呼んでいい？」
「授業中以外はいいよー」
笑顔で容認する仲野。さっそく本分を見失っている。
「じゃあHR始めるよー」
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