04 ページ4
.
スタッフさんからの収録内容の説明が終わった後、簡単にリハーサルを行った。リハーサルではVTRは流されず、本番で初めて観るという形式。
それぞれが、本番に向けての準備を終えた。
SF「それでは本番です」
スタッフさんの声が響いて、ぐっと身体に力が入る。何度収録を経験しても毎回緊張してしまう。スタジオ内は、先程までと裏腹に静寂な空気に包まれた。
SF「3 , 2 , … 」
MC「…はい、始まりました！今日のゲストはこの方々です！」
収録は順調に進み、MCの方から飛ばされる振りにも上手く応えることができていた。スタジオ内に広がる明るい雰囲気に、私も自然と笑顔になる。
数十分経つとMCの方が上手く話題を切り替え、スタジオの画面には "今話題の7人組韓国アイドルグループ" という見出しが表示された。
MC「BTSのVTRがあるので、そちらを見ていきましょう」
その言葉を合図に、BTSのパフォーマンス動画が目の前に映し出される。アイドル知識皆無の私でもBTSにはプロのオーラというものを感じて、この映像だけで彼らの凄さを充分に感じた。
MCの方が画面の隣に移動すると、メンバー紹介の画像が表示された。
MC「BTSは7人のメンバーで構成されています」
表示されている韓国語に懐かしさを感じていると、1人の男性についての紹介文が目に止まった。
" 黄金マンネ チョンジョングク "
どこかで聞いたことのあるような名前。どうしても気になってしまい、必死に思考を巡らせる。
そして数秒後、私の中で全てが繋がった。
『ジョングク！？』
間違いない。チョンジョングクだ。
突然大声を出して立ち上がった私を、出演者やスタッフが驚いたように見つめる。
MC「ど、どうされました？大丈夫ですか？」
MCの方の慌てる声が微かに耳に届くが今の私にはそれを気にする余裕もなく、ただ画面に映し出されている彼の写真をじっと見つめていた。
MC「とりあえずお座りに…」
『…え、あ、』
今になってやっと我に返り、自分が犯してしまった失態に気がついた。…恥ずかしすぎる。放送事故確定だけど、生放送ではなかったことがせめてもの救いだった。
私は気持ちを一旦落ち着かせて、皆さんに謝りながら大人しく座り直した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1423人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キオ - senaさん、ありがとうございます！大好きです！これからも、応援してます！ (2020年4月21日 21時) (
レス) id: 61705e5b9d (このIDを非表示/違反報告)
nana(プロフ) - おとしだま…ないの…？ (2019年1月1日 2時) (レス) id: f3c78cde16 (このIDを非表示/違反報告)
ちむ子(プロフ) - あけましておめでとうございます！！更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2019年1月1日 1時) (レス) id: ba915e60a4 (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - あけましておめでとう！更新してくれてありがとうございます！楽しみです！ (2019年1月1日 0時) (レス) id: ade9e6462e (このIDを非表示/違反報告)
Yuki - とっても面白いです！ぐったんと幼馴染とか、、、めっちゃうらやましいですよね笑笑更新ファイティン！！！ (2018年12月30日 16時) (レス) id: 5ccac3abe1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：星雫 | 作成日時：2018年12月29日 21時
