31.感じたことのない苦しさ ページ31
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SR「あ、ありがとね」
サラさんとの帰り道、少し歩くペースが遅くなったと思えば、俯きながらお礼を言われた。
TH「ああ、」
SR「まさか考えてなかったよ」
TH「え?」
SR「すぐに振られると思ってたから、考えてくれる時間作ってくれるなんて」
そう言って笑顔を向けるサラさんを見て、俺は心からの笑顔かもわからない表情を返した。
そう、俺はサラさんからの告白をOKして彼氏になったんじゃなくて、ただ考える時間を貰っただけだった。
そうすれば、少しは色々変化があるかもしれないし、なにかわかるかもしれないから。
TH「……先生?」
SR「え?」
このとき、俺の目に映ったのは紛れもなく先生だった。
先生の横にはホソクさんがいて、なぜだかわからないけど、先生の身体を支えている。
この瞬間、先生になにかがあったんじゃないかと不安になって、隣にいるサラさんを忘れるぐらいに走って駆け寄ったのに。
「気にしないで。彼女が待ってるじゃん」
俺の動きは、先生からのその言葉によって止められてしまった。
きっと先生は、いつの間にか追いついてきたサラさんのことを彼女だと勘違いしたのだろう。
TH「彼女って、」
「大丈夫、ホソクがいるから」
明らかに顔色が悪い先生は俺に笑顔を向けてから、身体を支えてもらっているホソクさんを見た。
彼女じゃないです、だから俺も先生に近づいて心配させてください。
そう言おうと思ったのに、先生は俺の言葉を遮ってしまって、俺が妬くような言葉を放って。
TH「ホソクさん……」
きっと先生とホソクさんは付き合っているんだろう、そう思った。
前にお会いしたときもすごく仲良さそうだったし、お互い信頼し合っている感じだったから。
ホソク行こ、という先生の小さい声が聞こえたかと思えば、俺の横を通りすぎていった。
SR「……テヒョンくん?」
TH「ごめんサラさん、1人で帰るよ」
先生とホソクさんの後ろ姿を見れば、感じたことのない苦しさに襲われた。
この苦しさは言葉で言い表せそうにないけど、先生に対して寂しさを感じたのは確かだった。
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Sena(プロフ) - mocoさん» mocoさん、ありがとうございます(泣)心から笑えるようになったのも、温かい言葉を下さったお陰です。本当にありがとうございました(T_T)これからもお楽しみください! (2019年6月28日 21時) (レス) id: 5282e17aaa (このIDを非表示/違反報告)
moco(プロフ) - おはようございます!元気になって良かったです(^^)無理せず過ごしてください!更新楽しみにしてますね(^^) (2019年6月28日 8時) (レス) id: 6fbb76998d (このIDを非表示/違反報告)
Sena(プロフ) - そらさん» そらさん、ありがとうございます(泣)その言葉を胸に抱いて、日々の生活頑張ります。そして“今”を楽しみますね!温かい言葉を届けてくださり、心から感謝しています。本当にありがとうございました(T_T) (2019年6月26日 23時) (レス) id: 5282e17aaa (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 頑張りましたね…少しでも前に進めたならSenaさんは大丈夫!後は自信を持って!自然と気の合う仲間が集まってくるはずです。学生時代にしか楽しめない事もたくさんあるから…心躍る毎日であることを祈ってます。 (2019年6月26日 18時) (レス) id: 450bdcddb7 (このIDを非表示/違反報告)
Sena(プロフ) - りんねさん» コメントありがとうございます。そんなことを言って頂けるなんて、お話を書いててよかったですほんとに。元気を与える側になると、こんなにも嬉しいんですね(;_;)休んでから必ず帰ってくるので、楽しみにしていてください(^^)本当にありがとうございます(;_;) (2019年6月16日 18時) (レス) id: 5282e17aaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星雫 | 作成日時:2019年4月29日 21時