影山君の彼女は元ストーカー！？

海誓山盟 ページ4

彼のおかげで私達は遅刻せずにすみ、

今、入学式の最中。

私は主席合格者ということで、長々とした文を読まされる事になりました。

ですが、彼が今にも眠ってしまいそうにうとうととしていて、早く終わらないかと待っているのです！

なので私は、この文を読みません！！

私の人生は全て彼のもの！

彼の望みは私の使命！

ですので、私、入学式の場で学校に逆らいますわ！



「では、入学生代表、覇島 A」



大きく名を呼ばれた私は、しっかりと前を見つめ、

体育館の舞台に登る。

そして、マイクの前に来て、文の書いてある紙を取り出し、


破く

マイクでによって強調された破れる音が体育館に響く。

先生方の驚く表情、生徒達の騒めく声、

それを鎮めるため、私は声を出した。



『今日、烏野に入学いたしました。

覇島と申します。

まずはじめにお詫び申し上げます。

考えて書いて下さった用紙を破ってしまい申し訳ございません。

ただ、あの文は長過ぎますわ。

合理性に欠けます。

あの文では生徒方の目を、耳を引き付けられないと判断したため、読まないと決断いたしました。

そして

これから、私達は共に、この烏野高校という場で育って行きます。

その間、約３年。

共に歩み、進みましょう。

よろしくお願いいたします』


３分程度は短くできたかしら…。

彼は…



「……」



！！こ、こちらを見ている！

しかも微笑んでいる！？

何故ですか！！

何故カメラがないのですか！！


私は今カメラを持っていない事を悔やんでいた。

周りの歓声と拍手の音に気付かぬまま。









まさか…クラスが別れてしまうだなんて…！！

何故ですか神様！

私を彼から引き離すなど！

私は気落ちしたまま５組のドアを開けた。

すると、騒がしかったはずの教室がシンッと静まり返った。

私は彼以外興味がないので席順表を見て、

すぐに席に着いた。

嗚呼、早速メモしなくては、

見えないよう自分のスマホの端末を取り出し、

メモ帳を開いた。

そこにはギッシリと彼の情報が詰まっている。

彼と目があった回数７８６３回

彼と手を繋いだ回数２８回

彼と食事をした回数７３２回

など、いろんなことが書かれている。

私はこの目があった回数に今日の朝にあった回数を足した。

その作業が終わったら趣味の小説を読む。

ペラリとページをめくると、



「ねぇ！君、すごいね！」



『…？』



彼と同じ、黒髪の少女が話しかけて来た。

彼と、同じ…

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