独りの少年と五年生。

再会　(３) ページ48

気を取り直して五人の方を向く。


A「ハチ。
　 仲間も見つかった。怪我も癒えてきた。

　 お前はこれからどうしたい？」






此処へ着くまでに考えていた事。

体が大分回復してきた今、ハチがこの家にいる理由はもう無い。
当初の目的を果たしたからだ。






そして、一緒に暮らしていて分かった事。

ハチにはハチの生活があり、帰る場所がある。
いつまでも家に保護していれば…それこそ俺が依存してしまう。




そうして出した、結論。







A「……帰ったらどうだ？『忍術学園』へ」




いつまでも一緒に居られないなら、いっその事。



別れようか。



未練を残さず、綺麗なままで。







もう迎えは来ている。服も直した。
あとは、あの四人がお前を連れ帰ってくれれば良い。

そう思ってハチに言葉を投げかけた。





しばらくの間、無言が続く。




八左「……俺には今まで過ごしてきた所があって、
　 卒業までそこに居たいと思っている。
　 迷惑かけて、自分勝手な意見だと思うんだけど、


　 俺は忍術学園に帰ろうと思う。
　 また、あそこに戻りたいんだ」




…ああ、知ってた。

お前ならそう言うと思ったよ。









俺は知らずの内に、口許に微笑を浮かべていた。

再会　(４)→←再会　(２)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す