独りの少年と五年生。

(４)：八左ヱ門視点 ページ16

しばらく無言でいる。

色々な考えが頭を渦巻いていた。


これからどう行動すべきか。

この子は信頼できるのか。



そして何よりも、みんなの安否が知りたい。
今、俺は怪我は重くとも生きている。

しかしあの場には他にも多くの敵が居た。
い組は大丈夫かも知れないが、同じろ組の三郎…特に優柔不断な雷蔵が心配だ。

何とかして知る方法は無いだろうか。



ふと横を見ると、あの子と目が合った。

そうだ。



八左「…俺の周りに、俺と同じ服を着た奴が居なかったか？」

前向きな返答を期待して、そう質問する。


しかし、返事は期待を裏切る、予想通りのものだった。

気分が暗くなる。



そうすると、「もし出逢ったら連れてきてやる」という励ましをもらった。


そうだよな。

仮にも、五年間忍術学園で鍛錬を積んだ忍たまだ。
プロ忍には遅れを取っても、一般の忍者ぐらいの力ならある。
そう易々とやられはしないはずだ。


とは言っても今の状況では、俺は無力に等しい。






無事を祈ることしか出来なかった。

もしかして…幽体離脱？　(１)：八左ヱ門視点→←(３)：八左ヱ門視点

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す