天女サマ？いいえ、腐男子です。

(３)：仙蔵視点 ページ8

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あれから何があったのかは、あまり覚えていない。

哀れむような…それでいてどこか冷めた目をした伊作が教えてくれた。


どうやら私達上級生は、あの場で天女の妖術にかけられてしまった様だ。


天女の言う通りに動き命令のままにその身を守る六年生。

下級生に暴力と暴言を振るう五年生。

その様子を見て見ぬふりする四年生。



唯一掛からなかったのは善法寺伊作。

効果が薄かったのは長次と小平太に、留三郎。
そして竹谷八左ヱ門、不破雷蔵だ。


毒耐性の強い奴と暴君に、後輩想いの暑苦しい上級生は無事だったと言う事か。






つまり、私は。





……あぁ嫌だ。考えたくない。




縋って来る小さな手を冷たく振り払った事が思い出される。


なんて酷いことを。



もっと鍛えていれば。



私が弱いから。



心底自分に嫌気が差す。





仙蔵「…すまない」



誰に向けたのか分からない、小さな小さな謝罪は。


相手に届くことなく夜の闇に消えていった。

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