天女サマ？いいえ、腐男子です。

目覚め　(１) ページ12

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A「………知らない天井だ」


起きてすぐ漏らした言葉は、人生の中で一度は言ってみたかったセリフの上位に食い込むもの。
知らない天井を見ながら目覚めるなど…余程のアクシデントがない限りあり得ないからだ。


自分は何故ここに居るのかと、ぼーっとしながら考える。
段々と記憶が蘇ってきた。




自分がトラックに轢かれて死んだこと。


よく分からないが、転生の様なものを果たしたこと。


そして謎のサラスト…確か仙蔵だったか。


あの縄、めっちゃ痛かった。



A「そうだよ、アイツ！マジで苦しかったんだった！」

思わず布団を跳ね除ける。

…布団はそんなに飛ばなかった。


アイツが縄を締めてきたせいで呼吸不全になったこと、僕は一生忘れないからな。

敷布団の上で怒りに悶えていると、横から小さく声がした。


「あの…大丈夫ですか？」

驚いて左を向くと赤茶色の巻き毛の男の子が正座していた。
そのまま身体の具合と、今の状況について説明される。


あのサラストは事もあろうか、窒息寸前で気絶した僕をこの医務室に放り投げ入れたそうだ。

は？


腹立つわ。


まぁそれは置いておいて、その後たまたま通りかかったこの猪名寺乱太郎くんによって僕は介抱され、今に至ると。



…腹立つわ。(二回目)

自分で気絶させておいて放置とか、お前さては人じゃないだろ。

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