ライアー 【Sho】

Liar 4 ページ4

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＿1年前









『……うっ…ぐす…っ、ん…』








落ち込むことがあるといつも桜の木の下でこっそり泣いていた






ここだとあまり人が来ないから









「なんだよさっきから、うるせぇな」







急に聞こえてきた男の子の声





嘘、私以外にも誰かいたなんて、








『ご、ごめんなさ…』





「……泣いてんの？あんた」









初めて目が合った瞬間





びっくりした…


綺麗すぎて









この人、たしかA組の平野くん…









「ふっ……あははっ！

なんだ、その顔、ブサイクだな！」





"目腫れてんじゃん"と付け足し更にお腹をかかえて笑いだした平野くん









『な……っ』









何この人



初対面なのに信じられない








でも泣いてるせいで目は腫れてたし、本当に何も言い返せなかった









「あれ？今授業中じゃん

こんな所にいていいのかよ」






そう今授業中




本当なら私も皆と一緒に授業を受けている







平野くんは、きっとさぼりだろう









『出られないんだもん、体育だから』






相手に微かに聞こえるくらいの声量で小さく述べた









.









今年こそはお医者さんも大丈夫って言ってもらったのに






＿でも、やっぱり何かあったら…




＿クラスの皆も心配するし……




＿また風邪ひいて学校休むつもりか？







お母さんにお父さん

更には学校の先生にまで止められた









みんなの気持ちもわかるけど…








私だってやれるのに



皆と変わんないのに









皆、私のことわかってない









何でこんな弱い体に生まれてきちゃったんだろう









いつもいつもこれで私は泣いていた









「つまんねぇな」









急に言葉を発したかと思えば私の手をいきなり掴み、ぐっと至近距離に顔を近付けてきた平野くん









「そんなに泣いてんだったら連れてってやろうか


楽しい所に」









平野くんに浮かべられた笑みは何か期待させてくれるような気がした







…ちょっと魅力を感じた









『…え、え、でも』






「どうせ授業出ないんだろ？」









にこっと微笑めばそのまま平野くんは私の腕を引いて学校を抜け出した

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