ライアー 【Sho】

Liar 22 廉side ページ22

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「………A？俺だけど


まだ帰ってないよな


今日お前に見せたいものがあるんだ





いつもの場所で待ってるから」









帰り道









俺はあすみが走って紫耀を追いかける姿を見て後を追った









紫耀は高梨と電話してるのか…？








道端の階段をゆっくり降りながら耳元にスマホを当てている





きっと後から来ているあすみにはまだ気付いていないだろう









あすみも階段まで来て駆け下りながら遂に声を上げた







「なんでAなの！？

あんな守ってもらってるばっかな女」









後もう少しで紫耀の元に辿り着く









その時









あすみは階段から足を滑らせた









そして落ちるあすみを紫耀は受け止め、そのまま二人一緒に一番下まで転落してしまった









消えた二人の安全を確かめようと俺も階段まで走った









だが既に遅かった









「……あ、、………私…ちが……」









目の前には擦り傷ですんだあすみと









頭から血を流し倒れる紫耀









あすみは何かブツブツと言っているが、恐ろしくなったのか



そのまま走って逃げてしまった









「…っ……嘘やん……どうす…」









残された動かない紫耀








これ、誰か呼んでこないと……








頭ではわかってる






やばい状況だって









でも体が動かないんだ









紫耀の元へ近付くと、すぐ隣に指輪が落ちていた







俺はそれを拾い上げると紫耀に視線を移した









「……これ、…高梨にか……？」









こ、この紫耀がたかが一人の女のために…





" 死にかけてる "






何とも無様だと思った









「ははっ、紫耀もそんな大した奴やない…」






その時






俺をちらっと見た紫耀は馬鹿にするようにふっと笑った









その瞬間、俺の何かが切れて気付けば俺の手には血のついた大きめの石が握られていた









……わかる？高梨









彼奴は笑ったんだ

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