ライアー 【Sho】

Liar 11 ページ11

.









「なんだあの先生」








「このメールって彼奴じゃねぇの？」









「でもなんでそんなことすんの、」









残された私たちは一気にざわついた






みんながみんな、先生について何か言っている









『わ、……私、確かめてくる！』









「え？高梨！？」









廉くんの呼び止めも無視して、私は一人教室を飛び出した









.









.









「ちょっと待てって！！そんなに走ったりしたら…」









階段を駆け下りる途中

後から追いかけて来た廉くんが私の腕を掴み動きを停止させた









『…あの先生、もしかしたら紫耀のこと何か知ってるのかも…

やっぱり紫耀はただの家出じゃないのかもしれない！』









「え…？」









『先生も皆も家出だって言うけど、そんな人じゃなかった

いなくなった当日も会おうって言ってくれてたんだもん…』







「…でも、来なかったんやろ」








『きっと何かがあったんだよ……！！

きっと……』







「＿＿…





高梨、彼奴のこと全然忘れてないんやな


いなくなって一年も経つのに…

俺はまだ彼奴に適わないのかよ」









掴んだ腕に込める力が少し強くなれば廉くんは真剣な眼差しで私を見た









「俺、お前が好きだ」









一瞬何を言っているのか分からなかった





廉くんが私を……？









「紫耀と付き合う前からずっと好きやった

俺じゃ彼奴の代わりになれへん？



俺がお前を守るから」








……守る？




私を？









「…高梨！？」









私を呼ぶ廉くんの声が聞こえた時

私はバランスを崩し意識を失っていた









.









「……」








その様子を影で聞いていたのは担任の佐藤先生

Liar 12→←Liar 10

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す