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2話 ページ3

「んー、このまま帰ればいいのか」

驚いている柱2人を置いておいて、七花は大した反応もせずに炭治郎を担いだまま隠のもとへと歩き出す。

この女は殺すことに何の感情もなければ、生かすことにも何の感情もない。殺せと言われたら殺し、生かせと言われたら何の疑問もなく生かす。所詮他人に対してその程度の関心しか持ってないのである。

炭治郎を隠に預け、本部へと1人歩みを進め始めた。









「起きろ、起きるんだ、起き...オイ、オイコラ
やいてめぇ、やい!!いつまで寝てんださっさと起きねぇか!!柱の前だぞ!!」

隠の声に目を開けた炭治郎の前にいたのは9人の男女だった。
鬼殺隊の中で最も位の高い9名の剣士。彼らの前に寝たままでいる炭治郎に相当焦った様子の隠だ。

突然の事態に炭治郎の頭はついていけてないようだ。

柱は口々に思い思いの処罰を口にする、そんな騒動の中、七花は屋敷の奥で眠っていた。


 

「どうしたのかな?」

産屋敷の言葉に隣の娘が答える。

「鬼の女の子はそっぽを向きました」

禰豆子を刺し、己の血を差し出した不死川という2人の構図を端的に答えた。

「ではこれで禰豆子が人を襲わないことの証明できたね」

「待ってください!まだ!」

産屋敷の言葉にまだ納得できないのか不死川は声を荒げ、禰豆子へ刀を向ける。

その刹那声をあげたのは兄である炭治郎でもなく、産屋敷でもなく、

「いい加減にしろよ、実弥、さん。へし折るぞ、(それ)

先ほどまで寝ていたはずの七花であった。
いつから起きていたのか、彼女は屋敷の奥からゆっくりとした動作で不死川に歩み寄る。
名前に詰まったのは忘れたからでも、敬称を躊躇ったからでもなく、単純に顔と名前が一致しないからである。七花にとって単に名前を覚えるだけならなんら苦ではないが、他人に関心を持たない彼女は顔を覚えるのが苦手なのだ。

「わかるだろ?お館様が言ってんだ、そいつが鬼だろうと関係ない。往生際が悪いんじゃねーの?」

気怠げな声に不死川は何も言うつもりがないのか刀を鞘へともどした。
その様子を見届けた七花は元いた場所に戻ろうとする。

「七花、ここにいてくれるかい?」

産屋敷の言葉に踏み出しかけた足を止め産屋敷のすぐそばへと無言で七花は控える。

そんな七花の気配を確認したのち、産屋敷は炭治郎へと向き直る。

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作者名:声優2次元大好き! | 作成日時:2020年6月25日 18時

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