月島蛍の双子の妹のお話【ハイキュー！！】 (ページ11)

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第五話　"頂の景色" ページ11

「？"持って行く"って何？？どういうこと？？」

「お前はただブロックのいないところにMAXの速さと高さで跳ぶ。そんで全力スイングだ、俺のトスは見なくていい(・・・・・・)ボールには合わせなくていい(・・・・・・・・)」

「ハァ！？ボール見なきゃ空振るじゃん！！」

「かもな！！」

「うぉい！？」

「でも.....やってみたい」

「……わかった」

何するつもりだ？少なくともあのトスじゃ今の日向に合わせるのは無理だぞ…

ピーッ

笛が鳴り、試合が再開される。
大地の打ったサーブが影山たちのコートに入る。田中がレシーブしたボールが影山の真上へと届いた。
そして、思いっきり跳んだ日向の手に目掛けてトスをあげる。

日向が打ち下ろしたボールは相手コートへと落ちた。

「手に当たったあああ！！！」

日向が大声を上げる。手に当たった？流石に大袈裟じゃないか？

「今、日向目、瞑ってましたね」

「えっ？！」

明里ちゃんが当然のように言う。
目を瞑る？そんなことが....

「多分影山のボールを"見なくていい"と言う言葉を守ったんでしょうね。」

そう言った明里ちゃんは薄く笑っていた、ような気がした。

次の挑戦では日向の顔面にトスが決まった。

「う～ん、やっぱさっきのはマグレか....？」

「でも、確実にトスの精度は上がってきてるよ」

「そうですね。」

俺の意見に明里ちゃんはすんなり頷く。
どうやら彼女は観察力に優れているみたいだ。

「(蛍、頑張れ。)」

明里ちゃんの横顔がそう言っているように見えた。