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山口のサーブで試合が再開される。
田中がしっかりと上げたボールは影山の真上へ。日向は、、、
「!?えっ!?何だ!?今の何!?」
飛ぶ、と思ったら月島山口のブロックを躱すように、反対側へ走り出す。
なんつー身体能力.....
そしてブロックのいない空間へと跳んだ日向はそのままボールを打ち下ろした。
「「__オシ!!!」」
そこからは日向・影山の独壇場だった。あっという間に点差をひっくり返し、マッチポイントまで持っていった。
すごい勢いでトスの精度が増していく影山に俺は純粋な尊敬と、恐れを抱く。
そうこうしている間に、1セット目は田中のスパイクで日向・影山チームが取ったようだ。
そして、第2セット。
今度も日向・影山チームが取り
ピピーッ
日向・影山チームのストレート勝ちとなった。
「....ありがとうございました。」
「....へっ?」
明里ちゃんが相変わらず無表情に俺に向かってそう言った。予想外の言葉に思わず素っ頓狂な声が出る。
「この試合してくださってありがとうございます。」
「えっ!?いや、これは大地が考えたっていうか、俺じゃ無いっていうか、もともとペナルティを受けさせるのなんのって話だったというか....」
明里ちゃんのストレートな言葉に思わずしどろもどろになってしまう。かっこわるい....
「いえ、日向に色々教えたりしていたのって先輩ですよね?」
「ん?あーまあ、そう、かな?」
「日向があのレベルで試合をしてくれたおかげで、」
明里ちゃんは試合が終わったばかりでまだ息が上がっている自分の兄を指差した。
「蛍が楽しそうだったから。」
だから、ありがとうございました。そう続けた明里ちゃんは今度こそ、笑顔を浮かべていた。
こっちが照れてしまうようなそれは、年相応な可愛らしい眩しいくらいの笑顔だった。
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作者名:声優2次元大好き! | 作成日時:2020年7月12日 17時